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電気代値上げ…利用者「正当性あるか不十分」 東京電力が公聴会 家庭では夏へ不安

2023年4月13日 19:15
電気代値上げ…利用者「正当性あるか不十分」 東京電力が公聴会 家庭では夏へ不安

電気代の値上げは本当に必要なのかーーー。

13 日、東京電力の公聴会が開かれ、利用者が追及しました。燃料費の高騰などから電気代が上がる中、東京電力など大手電力7社は、“さらなる値上げ”が必要として国に申請しています。

利用者
「電気使って仕事している身としては、電気代の値上げは本当に死活問題」

利用者
「値上げの正当性があるか、不十分であると感じました」

    ◇

神奈川県川崎市に住む4人家族。遊び盛りの子供たちの着替えを頻繁に洗濯したり、在宅勤務で家にいる時間が増えたりと、何かと電気が必要となっています。

4人暮らしの家族
「だいたいいつも2万円ぐらいの(電気代)が、(1月分は)2万9000円までいってしまって」
「ちょっとこれはかなりマズいなと」

この家族は、電気代を安くしようと3年前、東京電力ではなく新電力の会社に切り替えましたが、今、それでも上がっていく電気代に頭を悩ませています。

4人暮らしの家族
「一番最初に対策としてやったのは、オイルヒーターを夜消して、子ども達にはちょっと暖かいものを着せました」

寒かった冬も、できるだけ暖房を消して辛抱しました。しかし、心配なのはこれから迎える夏です。

4人暮らしの家族
「(ヒーター消しても)着て、暖かくすれば、なんとか対策できるんですけど、これから暑くなってきて、エアコンが必要になってくると、不安でしかないです」

    ◇

電気が必要となる夏目前、今年6月からの値上げを申請している東京電力。企業努力だけでは、燃料費の高騰などをカバーしきれないとしています。

しかし、この日開かれた公聴会では、利用者から、厳しい意見が相次ぎました。

利用者
「社員さんの年収についてです」
「国民の(電気代の)値上げを今、要請してっていうのは、自分たちが(社員の年収を)補てんしているような感じがして」

東電EP・長﨑桃子社長
「物価上昇による昨今の状況を踏まえて、電気事業を継続していくのに必要な人材を維持確保するため」

利用者
「値上げをする前に経費の削減っていうことね」

利用者
「原発なんか支えなくて良いんです」
「必要な費用だけ払って私たちに電気売ってくださいと、そういうことを伝えたくて来ましたけど、どこまで伝わったかはちょっと疑問です」

値上げ幅の平均は当初29.3%でしたが、審査の過程で17.6%まで圧縮されました。この値上げ幅で認可されれば、標準的な電気使用量の家庭で、月1558円の値上げとなります。(※東京電力のモデル家庭の電気料金 現在:9126円 → 値上げ認可の場合:1万684円)

今後、利用者の意見などを参考にさらに厳正な審査が行われます。しかし、ある経産省関係者は「まだ圧縮できる余地はある」と話しています。