予想外のヒット! “根っこつき”レタス…人気のワケ 農家にメリットも?
今、「レタス」に変化が起きています。都内のスーパーでは、「根っこ」が付いたままのレタスがヒット商品に! 根っこが切り取られたレタスに比べ、調理に手間がかかりそうに見えますが、“根付き”がなぜ人気なのでしょうか? また、レタスの栽培は意外な場所でも行われていました。
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東京・渋谷区にあるスーパー「セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店」の野菜売り場に並んでいたのは、よく売られているレタスとはちょっと違うものでした。
――何を買いましたか?
お客さん
「根付きのレタス」
白い根っこがしっかりと付いたリーフレタスです。根っこがきれいに切り取られたレタスに比べ、調理に手間がかかりそうに見えますが、根付きレタスを“あえて選ぶ”というお客さんもいました。
お客さん
「根っこが付いているからこそ、フレッシュな感じがすごくするので。歯ごたえがシャキシャキしていて甘みもあって、とてもおいしいです。すぐ食べなきゃなっていう危機感が少ない気がします」
ライフコーポレーション・チーフバイヤーの小川洋行さんは「当初、根っこが付いていたり、土があるので、敬遠されるお客様もいらっしゃるかなと見込んでいたんですけど、目標値の2倍売れました」と話します。
“根付き”が予想外のヒット商品に。人気のワケを生産者に聞いてみると――
サラダボウル・経営企画室 佐伯晃さん
「やはり根っこの付いている良さとしては、鮮度が一番大きいかなとは思います」
実は、ヨーロッパでは根付きレタスの販売の方が一般的で、根がないものは、冷蔵庫に入れると3~4日ほどでいたみが出始めますが、根付きレタスは根っこを水につけておくと、1週間ほど日持ちするといいます。(ライフコーポーレションによる)
洗わずに食べられるということで、記者が食べてみたところ、「シャキシャキしていて、苦味も少なく感じる」ということです。
“根付き”は、農家にとってもメリットがあるそうです。
サラダボウル・経営企画室 佐伯晃さん
「暑い環境下ですと、なかなかうまく育たないといったことがありますけれども、この施設を使うことで、1年を通して比較的、安定的に生産することができますので」
通常、暑い夏に育てるのが難しいというレタスですが、“根付き”は屋内で水耕栽培するため、1年を通して生産も販売価格も安定しているといいます。
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レタスの栽培は、意外な場所でも行われています。
千葉・松戸市にある食品の物流会社「アサヒロジスティクス・松戸共配センター」を訪れました。一見、普通の会議室ですが、その奥には「栽培室」と書かれた部屋があります。中へ入ってみると…オフィスの片隅に、一面緑のレタスの栽培室が作られていました。
アサヒロジスティクス・リテール第1ブロック 中下亮ブロック長
「空きスペースだったので、そこを何か活用できないかと。『物流会社が野菜作っています』って面白いかなと思って始めました」
障害者に働く場を提供し、食につながる社会貢献をしようと、去年、空いている会議室を活用し栽培をスタートしました。種をまいてから40日ほどで収穫できるといいます。
今後はハンバーガー店への出荷もめざし、栽培する品種をさらに増やしていきたいということです。