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骨太の方針 最終案概要(2)

2015年6月30日 12:45

 政府は30日に開かれる経済財政諮問会議で、経済財政運営の基本方針「骨太の方針」を閣議決定する。医療費抑制の観点から新たに「がん」に焦点をあて、がん検診をしたら保険料が安くなる仕組みなど病気の予防も重視した。夕方に議論される最終案の概要は以下の通り。(2)

第3章「経済・財政一体改革」の
取組

「経済再生なくして財政健全化な
し」これは経済財政運営における
安倍内閣の基本哲学であり、20
20年度の財政健全化目標の達成
に向けた今後5年間の計画の基本
方針でもある。我々が目指すのは
経済再生と財政健全化の二兎を得
る道である。

(目標とその達成シナリオ、
改革工程)

(改革工程の明確化)
計画の初年度である平成28年度
予算から手を緩めることなく本格
的な改革に取り組む。計画期間の
当初3年間を集中改革期間と位置
づけ、経済財政一体改革を集中的
に進める。計画の中間時点(20
18年度)において目標に向けた
進捗状況を評価する。集中改革期
間における改革努力のメルクマー
ルとして、2018年度のPB赤
字の対GDP比▲1%程度を目安
とする。国の一般歳出については
安倍内閣のこれまでの取組を基調
として、社会保障の高齢化による
増加分を除き、人口減少や賃金・
物価動向等を踏まえつつ、増加を
前提とせず歳出改革に取り組む。
社会保障関係費については高齢化
要因も考慮し、安倍内閣における
これまでの増加ペースを踏まえつ
つ、消費税率引き上げにともなう
充実を図る。ただし、各年度の歳
出については一律でなく柔軟に対
応する。これらの目安に照らし、
歳出改革、歳入改革の進捗状況を
評価し、必要な場合はデフレ脱却
・経済再生を堅持する中で歳出、
歳入の追加措置等を検討し、20
20年度の財政健全化目標を実現
する。

国の一般歳出の水準の目安につい
ては、安倍内閣のこれまでの3年
間の取り組みでは、一般歳出の総
額の実質的な増加が1、6兆円程
度となっていること、経済、物価
動向等を踏まえ、その基調を20
18年度まで継続させていくこと
とする。

(歳出改革等の考え方)

(頑張る者を支える仕組みへのシ
フト、ニーズに適合した選択肢の
提供)
後発医薬品の利用率向上などの保
険者の努力に応じ、その負担すべ
き金額や交付を受ける金額を増減
させることや、健康づくり等を行
う個人に対するヘルスケアポイン
ト付与等により頑張りを引き出す
仕組みを拡充・強化する。診療報
酬・介護報酬を活用したインセン
ティブ改革を通じて病床再編、投
薬の適正化、残薬管理、医療費の
地域差是正等を促す。

(主要分野ごとの改革の基本方針
と重要課題)

(社会保障)
安倍内閣のこれまでの3年間の経
済再生や改革の成果と合わせ、社
会保障関係費の実質的な増加が高
齢化による増加分に相当する伸び
(1・5兆円程度)となっている
こと、経済・物価動向等を踏まえ、
その基調を2018年度まで継続
していくことを目安とし、効率化、
予防等や制度改革に取り組む。こ
の点も含め2020年度に向けて
社会保障関係費の伸びを高齢化に
よる増加分と消費税率引き上げと
あわせ行う充実等に相当する水準
に収めることを目指す。

(時間軸)
2020年度までの検討実施に係
る改革工程を速やかに具体化して
いく中で予断を持たずに検討する。
平成27年度からできる限り速や
かに取組を進める。

(医療・介護提供体制の適正化)
外来医療費についてもデータに基
づき地域差を分析し、重複受診。
重複投与、重複検査等の適正化を
行いつつ地域差の是正を行う。

(インセンティブ改革)
全ての国民が自らがんを含む生活
習慣病を中心とした疾病の予防、
合併症予防を含む重症化予防、介
護予防、後発医薬品の使用や適切
な受療行動をとること等を目指す。
個人については、健康づくりの取
組等に応じたヘルスケアポイント
の付与により、国民一人ひとりに
よる疾病予防、健康づくり、後発
医薬品の使用をさらに促進する。
民間事業者の参画も得つつ、「が
ん対策加速化プラン」を年内をめ
どに策定し、がん対策の取組を一
層推進する。

(公的サービスの産業化)
マイナンバー制度のインフラ等を
効率的に活用しつつ、医療機関や
介護事業者等の間の情報連携の促
進による患者負担軽減と利便性向
上、医療等分野における研究開発
の促進に取り組む。

(薬科・調剤等の診療報酬及び医
薬品等に係る改革)

後発医薬品にかかる数量シェアの
目標値については、2017年央
に70パーセント以上とするとと
もに、2018年度から2020
年度末までの間のなるべく早い時
期に80パーセント以上とする。
2017年央において、その時点
の進捗評価を踏まえて80パーセ
ント以上の目標の達成時期を具体
的に決定する。国民負担を軽減す
る観点から後発医薬品の価格算定
ルールの見直しを検討するととも
に、後発医薬品の価格等を踏まえ
た特許の切れた先発医薬品の保険
制度による評価の仕組みやあり方
等について検討する。かかりつけ
薬局の推進のため、薬局全体の改
革について検討するとともに、薬
剤師による効果的な投薬・残薬管
理や医師との連携による地域包括
ケアへの参画を目指す。調剤報酬
について服薬管理や在宅医療等へ
の貢献度による評価や適正化を行
い、患者本位の医薬分業の実現に
向けた見直しを行う。

(年金)
一人ひとりの状況を踏まえた年金
受給のあり方、高所得者の年金給
付のあり方を含めた年金制度の所
得再分配機能のあり方および公的
年金等控除を含めた年金課税のあ
り方の見直し等について引き続き
検討を行う。

(生活保護等)
年齢、世帯類型、地域実態等を踏
まえた真に必要な保護のあり方や
さらなる自立促進のための施策等、
その制度全般について予断なく検
討し、必要な見直しを行う。

(社会資本整備等)

(文教、科学技術、外交、安全保
障、防衛等)

(歳入改革)
(税制改革の基本方針)
年齢ではなく経済力を重視する一
方成長の担い手である若い世代を
含む低所得層に対しては社会保障
給付制度との整合性を勘案しつつ
総合的な取り組みの中で勤労意欲
を高め安心して結婚し子どもを産
み育てることができる生活基盤の
確保を後押しする観点から税負担
構造および社会保険の負担・適用
構造の見直しを進める。

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