三菱航空機社長「ほっとしている」MRJ
三菱航空機が開発を進める国産初のジェット旅客機「MRJ(=三菱リージョナルジェット)」が11日午前、開発の大きな節目となる初の試験飛行を行った。国産の旅客機が試験飛行を行うのは約50年ぶりのこととなる。
MRJは1時間半の飛行を終え、11日午前11時すぎ、空港へと戻ってきた。上空で上昇や下降、旋回などの動作を確認したという。
三菱航空機・森本浩通社長「ホッとしているのが率直なところ。ゼロからのスタートという意味で、よくここまで来たなという思いもしております」
三菱航空機・安村佳之チーフテストパイロット「本日は、離陸速度に達したら飛行機が『飛びたい』と言っているような感じで、ふわっと浮き上がりました。トップクラスと言えるくらいの操縦性と安定性があったと感じています」
港航空関係者らの夢を乗せて、無事、初飛行を成功させたMRJ。その開発は2008年、官民連携のプロジェクトとしてスタートした。ただ、これまでの道のりは平坦ではなかった。当初の予定では2011年に初飛行、2013年には航空会社に引き渡すはずだった。しかし、設計の変更など5度の延期を重ね、初飛行は2015年、引き渡しは2017年と、4年も遅れることになった。
MRJは、リージョナルジェットと呼ばれる、中距離を結ぶ小型旅客機。航続距離は最長3300キロで、東京からは上海やグアムまでをカバーする。最先端のエンジンを使い、機体の設計を工夫して低燃費を実現している。今後、リージョナルジェットの需要は世界的に伸びる見込みで、その市場にMRJを売り込み、日本の新たな基幹産業を育てたい考え。
今後は2500時間におよぶ試験飛行を行い、国土交通省の厳格な審査をクリアする必要がある。日本の航空史に新たな1ページを刻んだMRJ。実用化の時が近づいている。