来年度予算案を閣議決定 過去最大を更新
政府は24日、来年度の予算案を閣議決定した。今回も過去最大を更新する予算案となり、膨張に歯止めがかかっていない。財務省前から本橋和彦記者が報告する。
来年度の予算案が過去最大となったのは、増え続ける社会保障費を抑えられていないことが最大の要因。
麻生財務相は24日午前の会見で、「経済再生と財政健全化を両立し、経済財政計画の初年度にふさわしい予算になったと考えております」と述べた。
来年度、一般会計予算の総額は96兆7218億円で、このうち医療や介護など社会保障費は、今年度より約4400億円膨らみ、31兆9738億円となった。
今回の予算編成では厳しい財政事情から膨らみ続ける医療費をどう抑えられるかが焦点のひとつとなり、診療報酬は8年ぶりに減額された。それでも高齢者が増えることから、年金・医療・介護、それぞれの分野で社会保障費の増加には歯止めがかかっていないのが現状。
もう一つ気になるのは、国の借金返済に膨大な費用がかかっていること。国の借金は現在1000兆円を超えている。来年度も国債の利息だけで10兆円近くを支払わなければならず、予算全体の2割は借金の返済にあてられる。
今後、団塊の世代が75歳を超える2020年以降は社会保障費は一気に膨張する。社会保障の改革と借金の返済に一刻も早くめどをつけることが喫緊の課題となる。