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デフレ脱却へ 日本経済成長のカギは…

2015年12月28日 21:10
デフレ脱却へ 日本経済成長のカギは…

 今年の日本経済。国内企業の業績は大企業を中心に好調だったが、デフレ脱却には至らなかった。来年、2016年の経済成長のカギは何なのか?

 安倍首相は9月の自民党総裁再選会見で、「次の(任期の)3年間、私は未来を見すえた新たな国づくりを力強く進めていきたい。この日からアベノミクスは第2ステージへと移ります。目指すは1億総活躍社会であります」と述べた。

 自民党総裁に再選された安倍首相は、昨年度約490兆円だったGDP(=国内総生産)を2020年頃までに600兆円とする目標を掲げ、経済最優先の姿勢を鮮明にした。

 今年の日本経済はいわゆる「アベノミクス効果」の株高や円安で、企業の業績は大企業を中心に好調だった。

 日本企業による海外企業の買収金額は、初めて10兆円を突破。特に動きが活発だったのが、生命保険業界。買収金額の上位には、明治安田生命や住友生命といった業界大手が並んでいる。

 国内では、最大手の日本生命が、三井生命の買収を発表。生保の国内再編は実に11年ぶりのことだった。日本生命の筒井義信社長は、買収の狙いを消費者の「多様化するニーズへの対応」だと言う。

 筒井社長「お客様のニーズが多様化して業界各社が商品を出して競い合っている。多様化に対して、機動的柔軟に対応していくためには、グループに三井生命を組み入れることで、さらに対応力を強化していく」

 10月、多様化のカギの1つを握る店舗がオープンした。保険を販売するお店だが、実はニトリの店舗の中にある。狙いは新たな客層の獲得。家具販売大手のニトリは、結婚や出産などをきっかけに訪れる人が多いことから保険のニーズがあると判断した。

 筒井社長「全国ネットワークを持つニトリとの提携で大きく販路は拡大できる」

 良好な業績を背景に積極的に戦略を打ち出す企業。

 一方、経済成長のもう1つのカギ、個人消費は低迷した。総務省の家計調査によると消費支出は、9月から11月の3か月連続で去年の同じ月を下回っている。円安で輸入食材など消費者の身の回りにある物の値段が上がり、財布のひもが固くなった。

 三菱東京UFJ銀行経済調査室・石丸康宏次長は「所得も伸びてはいるが、不十分な増加にとどまっている。失業しても次の職が見つかりやすい労働市場とか、そのためのスキルを蓄積できる機会が提供されているとか、家計もお金を使いやすいような支出をしやすい環境をつくれるような成長戦略の具体的な実行が待たれるところ」と話す。

 アベノミクスを打ち出してから丸3年。2016年は安倍政権の真価が問われる年となりそう。

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