「シャープ」と「ホンハイ」が契約締結
経営再建中のシャープは、台湾のホンハイ精密工業による買収を受け入れるための契約を2日、締結し、両社のトップによる会見が開かれている。会見が続く大阪府堺市から中継。
調印式で、ホンハイの郭台銘会長は終始笑みを浮かべていたが、シャープの高橋社長は時折、厳しい表情を見せていた。混乱を極めた買収交渉だが、経営再建に向けた具体的な計画が会見で示されることはなく、再建を不安視する声も根強く残っている。
シャープの高橋社長とホンハイの郭会長は、シャープがホンハイからの出資を受け入れ、傘下に入る契約を結んだ。当初よりも1000億円少ない3888億円の出資金でシャープ株66%を取得することや、ホンハイの責任以外で契約が破談になった場合に、ホンハイはシャープの液晶事業だけを買うことができるという内容となっている。
関係者は「液晶だけ切り出して買う可能性の方が高いのではないか」と話すなど、シャープの目指している一体型の再建が難しいのではないかとの懸念が高まっている。また、会見では、ホンハイの郭会長から具体的な再建計画が示されることはなかった。
日本の家電大手が海外企業に買収される初めてのケースとなったが、この契約締結が、シャープの経営再建にとってより不透明感を増す結果になってしまうという懸念材料はまだ多く残されている。