経済協力で進展は…世耕経産相、ロシア訪問
来月の日露首脳会談で、北方領土の返還に向けた交渉は進むのか。3日、世耕経産相がモスクワに到着した。到着後、ロシアのエネルギー相や経済発展相と相次いで会談。8項目の「経済協力プラン」の具体的な内容をロシア側と協議した。
日本時間3日夜に入ってきた情報によると、安倍首相からプーチン大統領宛ての親書を、世耕経産相が大統領補佐官に渡したという。8項目の協力プランは日露の経済関係の強化につながるとしている。
3日の話し合いについてだが、8項目の経済協力プランをめぐり、ロシア側から天然ガス開発など約70のプロジェクトが示されていたが、まず30程度に絞り、来月の日露首脳会談に向け優先的に準備することで合意した。
また、世耕経産相のカウンターパートを、ウリュカエフ経済発展相とするなど、協議の枠組みを整理した。
一方、日本がロシアに気を使っている様子もうかがえる。会議には、日本の大手商社やメーカーの首脳らが顔をそろえるなど、日本の本気度を見せた形だった。
また、ロシア側が求めている、ロシアが日本に電力を送る構想については、実現が困難と見られているが、これを拒否するのではなく“研究する”という形で軟着陸させた。
どこまで経済協力すればロシアが満足するのか見えにくいことから、世耕経産相は難しいかじ取りを迫られそうだ。