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唯一無二:最先端を紡ぐエアウィーヴ2/5

2016年11月4日 14:38
唯一無二:最先端を紡ぐエアウィーヴ2/5

 株式会社エアウィーヴの高岡本州氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。2つ目のキーワードは「時代は“低反発”のマットレス。しかし“逆張りの発想”から生まれた“高反発”」。エアウィーヴの開発秘話に迫る。


■「高反発」という言葉の戦略

――「時代は“低反発”のマットレス。しかし“逆張りの発想”から生まれた高反発」とあります。これがエアウィーヴの商品の枕なんですが、低反発ではなく、高反発なんですよね。確かに押さえているとかためなんですね。

 私が44歳の時に、会社を経営しながら、おじの会社のプラスチック機械を作る会社を引き継いだんですが、そこで作る材料を使って、マットレスができるんじゃないかと。今は、マットレスも枕も作っていますので、これがいわゆるすぐに戻る“高反発”なんですね。

 この頃の世の中が、低反発のマットレスがちょっと増えてきた時代だったんですね。そうすると、この素材はすぐに戻りますので、高反発というキーワードよりも実は“すぐに戻る”―復元性が高い寝具なんです。ただ復元性が高いって、なかなか難しいですから、いわゆる低反発があるんだったら、高反発という、そのひとつの言葉に凝縮して、製品を売り出した。

 そうすると、世の中の皆さんが低反発がいいと思っていた人たちに、高反発がいいってことになると、皆さんが「ワッ」とこっちに来るだろうと。やわらかいラケットで打っていたのが、かたいラケットのほうが実は精度がいいよとわかったとたんに、テニスのユーザーは、みんなかたいラケット買いますよね。


■最初の1か月、売れたのは2枚

――そもそもこの「エアウィーヴ」っていう名前なんですけど、これはどういう意味が込められているんですか?

 エアウィーヴはですね、この素材が、いわゆる糸を編んでます。ですが実際は、ほとんど空気なんですね。だから、糸を編んで作っているんですが、空気を編むという風な意味を込めて「エア(空気)をウィーヴ(編む)」すると。

――ズバリ、この高反発という発想ですけれども、それから商品化して売れ行きというのはいかがだったのでしょうか。

 2007年の6月に売り出したんですが、実はその1年ぐらい前からマーケティング戦略と色々考えてですね。コールセンターも作って、広告もしたんですが、最初の1か月で売れたのは2枚ですね。

 その年1年間、だいたい広告を出したんですけど。5000万の広告費を使ってですね、売れたのが180枚、売り上げで言うと約1000万でした。宣伝費にもいっていないんですね。燦々(さんさん)たる状況ですね。

――そんなに高い宣伝費をかけたということは、それなりに自信はあったということですか。

 2007年にこの製品を作ったんですけど、この製品としてですね、物理的な特性などを計ったり、100人くらいに配ってモニターしたんですけど、やっぱりすごく評価が高かった。ですから間違いなく売れると思ってたんですが、燦々たる結果だったと。