【解説】3月半ばに備蓄米放出…価格どうなる?品種は?
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コメの価格が高止まりする中、農林水産省は14日、3月半ばには備蓄米を放出すると発表しました。これにより、3月末から4月にかけて放出された備蓄米が店頭に並ぶ見通しです。備蓄米の放出がコメの価格や流通にどう影響を与えるのか、経済部の田口舞デスクとお伝えします。
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──備蓄米が放出されるとコメの価格は安くなるのでしょうか。
経済部 田口舞デスク
「現状では『なんともいえない』というのが正直なところです。専門家からは『価格が落ち着く』との見方もあって、春くらいまでに3割下がるのでは、との見方も出ています」
「一方で、小売店からは『一時的には下がっても高止まりが続くのでは』という声や、卸売業者からも『どれくらいの時期にどれくらい下がるかわからない』といった懐疑的な見方も上がっています」
──なかなか先が見通せない状況なのですね。
田口デスク
「本当に『売り渋り』が解消するのか、これがみなさん気になっているところです。問題なのは、とれているはずのコメが市場に出回っていないことにあります」
「農家から直接買い取る卸売業者も増えるなど、どこにコメが本当にあるのか把握しづらいこと、さらに最近では、これまでコメの取引をしたことがない業者が『投機目的』で参入するケースも出ているとみられています。農水省もこういう売り渋りをしている生産者や業者がコメを手放して価格が落ち着くのか、もし効果がなければさらに放出する量を増やすことも辞さない考えです」
──農水省は、備蓄米を売る対象の業者など入札の条件を14日に公表するとしていましたが、どんな条件か、わかっていることはあるのでしょうか。
田口デスク
「入札に参加できるのは、コメを生産者から集める業者です。中でも年間の仕入れ量が5000トン以上の大手に限ります。コメの行き場がわからないということがないように、隔週ごとの報告を義務づけて、備蓄米がきちんと流通しているか確認するとしています」
──放出される備蓄米はどんな品種のコメなのでしょうか。
田口デスク
「来月はじめには、産地や銘柄がわかる見通しです。今回は、去年と2023年のコメが放出されるのですが、私たちが買う店頭に並ぶのは去年のコメが多くなるのではないかとみられています。2023年のコメは古いぶん安いので、大量に使う外食産業や加工業者からの引き合いが多いとみられます」
──今後の供給量はどうなるのでしょうか?
田口デスク
「ことしの新米、農水省は、去年より4万トン以上増える見通しを示しています。ただ、コメは気温や台風など気象状況に大きく左右されるため、見通しは予断を許しません。また、いま起きているコメの売り渋りの問題など流通の課題が解消できるかも大きなポイントになります」