中小企業に賃上げが広がるのか、例年以上に注目される中、日本商工会議所が初めて賃上げ額まで踏み込んだ調査を行い、中小企業の正社員の賃上げ率が平均3.62パーセントとなったことがわかりました。

日商によりますとことしの春闘の結果、現段階で中小企業1979社の正社員の基本給の引き上げ額は平均で9662円、アップ率は3.62パーセントとなりました。

ただ、賃上げを実施、または賃上げを行う予定の企業のうち、「業績の改善が見られないが賃上げを実施」するいわゆる“防衛的賃上げ”となった企業は59.1パーセントと半数を超えました。企業からは、「利益を削っているのが現状」、「賃上げしなければいけない風潮の中で行っている」など苦しい声も上がっています。

日商は、中小企業が今後も賃上げを行うためには価格転嫁を定着させることが重要だとしています。