東京下町の鉛筆工場に鉛筆神社…社長の思い
下町で鉛筆を作り続けて68年。葛飾区の北星鉛筆では1日約10万本の鉛筆が作られている。
鉛筆作りの工程を見てみよう。
まず、長方形の木の板に溝を掘る。溝の面に接着剤を塗り、芯をセットする。この日は色鉛筆の水色の芯だ。芯をセットしたらその上に別の木板を重ねて固定する。
一晩寝かせて接着剤を乾かし、鉛筆の形にカットする。まずは片方の面を削り出す。クルっと反転させてうら面へ。裁断するための溝をつける機械で裁断する。機械を通るとこの形…鉛筆らしくなってきた。
鉛筆の原形ができたら塗装だ。下塗り、中塗り、仕上げと7回から8回塗料を塗り重ねる。最後は消しゴムをつけるなど形を整え、人の目でもチェックする。これでようやく完成だ。
最盛期には全国で200社近くあった鉛筆工場も、今では40社程度しかない。鉛筆の需要が少なくなっていくなかで、鉛筆の価値を伝えたいと考えた社長の杉谷和俊さん。
敷地内に鉛筆神社を建て、鉛筆を祀(まつ)っている。鳥居の形も鉛筆だ。鉛筆のお墓もある。短くなった鉛筆は、毎年ここでお焚(た)き上げをし供養している。
杉谷さん「鉛筆の良さを発信しないと、鉛筆って廃れていっちゃうじゃないですか。鉛筆の価値をどうやったらみんなに伝えられるかといろいろやっています」
【the SOCIAL viewより】