自治体“長寿祝い金”減額・廃止も…なぜ?
自治体から高齢者に贈られる「長寿のお祝い金」を廃止したり、減らしたりする動きが全国で広がっている。茨城県のある自治体では、88歳を迎えた市民へのお祝い金を半額にする方針が決まった。
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東京・巣鴨で聞きました。長寿のお祝いしてもらいましたか?
東京・豊島区民(89)「(米寿で)区から1万円ね、この辺で買える券をね(もらいました)。あと、お年寄りの会から5000円。年取るとうれしいなと、初めてもらったから」
東京・豊島区民(95)「(もらう祝い金は)1万円分みたいね。そりゃうれしいでしょうよ」
長生きしたからこそのお祝い。そんな長寿の祝いを巡り、ある変化が起きている。
茨城・行方市役所を訪ねてみるとー。
行方市役所介護福祉課・永作賢司課長「米寿、88歳を迎える方の長寿祝い金、これまで1万円だったんですけども。これを5000円に減額ということで」
行方市では、これまで88歳を迎えた市民に対し、祝い金1万円を贈っていたが、来年度から5000円と半額にする方針を決めたという。
実は、敬老の祝い金については、鹿児島市では、祝い金の支給を3万円から2万円に減額、神戸市では、昨年度から贈ること自体を廃止するなど、減額や廃止の動きが全国で広まっているという。
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一体、なぜ、”祝い金の見直し”が必要なのだろうか?
行方市役所介護福祉課・永作賢司課長「(高齢者が)年々、増えていますので、その分、市の財政が厳しいということになりますので。今回、苦渋の選択ということで」
行方市では、10年前、88歳の市民は141人だったが、今年度は303人と倍増。お祝い金の支出は、賞状などの贈呈品と合わせると400万円ほどにふくらんだという。
行方市役所介護福祉課・永作賢司課長「(対象の)人数は329名と増えるんですけれども、トータルしますと250万円前後で収まるのではないかと推定している」
増え続ける高齢者。来年度から祝い金を半額の5000円にすることで、支出を現在の6割におさえられるという。
この決定に、市民は―。
行方市民「5000円だったらね、年取ってもいろいろお金はいりますよね。年金ではたりないし、孫とかもいろいろかかるので。できたら、逆に増やしてほしいですよね」
行方市民(76)「負担が大きいので、しょうがないと思う」
全国で高齢化が進む中、祝い金の見直しもさらに進んでいくものとみられる。