「復活の起爆剤に」 新型特急「スペーシアX」7月デビュー 観光地・日光は…
東京・浅草と栃木県の日光や鬼怒川温泉を結ぶ、東武鉄道の新型特急「スペーシアX」の試乗会が行われました。7月のデビューを前に、観光地・日光では”観光復活”を期待しています。
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関東有数の観光地、栃木・日光。駅前の店には、“心待ち”にしている存在がありました。
駅前の店
「始まったらすごいんじゃないかと」
駅前の店
「期待はしていますよ。あと1か月くらいでしょうかね」
7月15日にデビューする日光と東京・浅草を結ぶ東武鉄道の新型特急、その名も「スペーシアX」です。今回、初めての試乗会が行われました。
車内には、全6タイプの座席があります。通常のシートはもちろん、ゆったりくつろげるソファの個室もあります。
さらに、6号車にある「コックピットスイート」では、目の前に運転席が広がっています。運転席のすぐ後ろは、まさに“特等席”です。移動するスイートルームで、ぜいたくなひとときを楽しめます。(1室1万2180円(定員7人)※運賃・特急料金別)
浅草駅から乗車すると、日光までは2時間弱で到着します。車内には、この時間をさらに魅力的にする場所もありました。落ち着いた雰囲気が広がる先頭車両には、ビールサーバーがありました。
栃木のクラフトビールやクラフトコーヒー、そして日光の地元レストランなどがこのために開発した、スナックやスイーツを味わうことができます。
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来月から始まる“新たな鉄道旅”。夏休みシーズンに重なることもあり、迎え受ける日光市は胸を躍らせているのです。
創業150年、日本最古のリゾートホテルとされる「日光金谷ホテル」では、ホテルのリニューアルオープンを新型特急のデビュー日に設定していました。
統括総支配人 奥間政宣さん
「7月15日のスペーシアXにあわせて、別館ロイヤルをオープンさせます」
スペーシアXに乗り、リニューアルした部屋に泊まる限定プランを準備しているということです。ふるまう料理は、150年の歴史を味わえる特別仕様になっています。
統括総支配人 奥間政宣さん
「これが起爆剤になって、お客さまが大量にお見えになるといいなと」
日光市では現在、観光客数がコロナ前の7割ほどだといいます。
駅前の店
「車のお客さんも来てくれるけど、電車で来てくれる方が主なので、期待感ですよね」
駅前の店は、電車の利用者が増えることに期待を寄せています。
駅前の店
「とにかく日光をPRしたい。あとはおもてなしかな」
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その一方で、手放しで喜べない人もいます。温泉地ならでは、すべての部屋に露天風呂がついた「ホテル カジュアルユーロ」では、ゴールデンウイークはほぼ満室で、夏休みにも来客が増えることに期待していました。しかし、今は対応が出てきているものの、宿泊客が増え続ければ、人手が足りなくなる可能性があるということです。
加藤一郎統括支配人
「お客さまが増えてはいるが、働くスタッフが充足していない。今のままでいくと不足するかもと」
とはいえ、忙しくなるのはうれしいことです。
加藤一郎統括支配人
「電車の好きな方にお越しいただいて、泊まっていただければなと」
新型特急のデビューまで、あと1か月ほどです。