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フェアトレードの実現のために「四方よし」

2019年9月4日 16:39
フェアトレードの実現のために「四方よし」

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「関心高まる フェアトレード」。新しい果物の価値観を提案しているFRUITESTの代表・有井誠氏に話を聞いた。

フェアトレードとは「公平・公正な取引」を指す言葉。開発途上国の原料や製品を適正価格で継続的に購入することにより、立場の弱い生産者や労働者の生活改善と自立を目指す。

あるNPO法人の調査では、日本のフェアトレードの市場規模は2015年~2018年の間で増加。2018年は推定約124億円となっている。

フェアトレードについて、ネット上では…

「フェアトレードの商品、積極的に買おうと思った」
「コーヒーはやっぱり、フェアトレードだね」
「継続が重要 かつ難しい問題…」

という声が聞かれた。

――有井さん、フェアトレードとFRUITEST、どのような関わりがあるのでしょうか?フリップをお願いします。

「四方よし(三方+作り手)」です。

ビジネスの世界でいわれる「三方よし」というのは「売り手よし、買い手よし、社会よし」のことですが、フェアトレードというのは、これまで売り手の裏側に隠れていた作り手にフォーカスするものではないかと思います。

特に日本の物づくりの業界では「良い物を安く」ということが絶対的な正義という考え方がやはり根強いです。その割を食っていたのが作り手で、例えばメーカーの下請けでやっている部品工場や、農産加工の現場では農家だと思います。

農業の世界でいうと、やはり農協さんが強いというなかで、例えば、おいしさにとことんこだわってブドウ作りをした人と、そこまでしてない人がいたとき、見た目が同じであれば同じ価格で取引されるんですね。それでもプライドを持って本当においしい物を作ろうとこだわってやっている農家さんというのは、まだまだ日本にたくさんいると思っています。

そういうこだわった作り手さんが、金銭的にも精神的にも報われるような仕組みが重要なのではないかと思います。そういう仕組みのひとつにFRUITESTもなっていけばいいなと思っています。

そのためにも、その価値をわかってくれる市場や人にしっかり届けていくことが重要で、それにより適正な価格で売って、買った側もしっかり大切に食べていただく。そして最終的に作り手である農家さんにフィードバックして「四方よし」のブランドを実現していければと思います。

それが最終的にはSDGsのなかの「つくる責任」につながっていくのかなと思います。


――実際にその適正価格で流通させるために、どんなことをしているのですか。

やはりマス向けというよりは、しっかりと価値がわかっていただけるところでいうと、私のやっているFRUITESTだと国内はもちろんなんですが、海外のお客さんにもしっかりアップしていきたいと思っています。

例えば、地元の山梨の人にエアドライを食べてもらうと、ふだんからフレッシュな果物をたくさん食べているからあまり価値がわからないよというのがあります。一方で香港のバイヤーの方に食べてもらったときは、これまで感じたことがないと、驚きをもって受け止めてもらったことがありました。

そういうふうに価値のわかってくれるマーケットにしっかりアプローチしていきたいなと思っています。


――ただ流通させるのではなく、どういう場所、人に届けるかということが重要になってきますね。


■有井誠氏プロフィル
有井氏は、これまで旬の時期に産地でしか味わうことのできなかった完熟果物の本当のおいしさを世界に広めたいと、FRUITESTを立ち上げた。日本全国の農家を自ら訪ね、厳選したシャインマスカットなどのプレミアム品種の完熟果物を素材として扱う。1年間の賞味期限を実現し、みずみずしさを保ちながら、日本が誇る旬の完熟果物の風味を堪能できるレアドライフルーツを、レアドライの技術を持つ国内協力工場と共に商品化。日本が誇る旬の完熟果実を1年中、おいしく手軽に楽しめる新しい果物の価値観を提案している。

【the SOCIAL opinionsより】