“全国旅行支援”継続も……利用「5人に1人」のみ 旅行需要はコロナ前の水準に回復 格安セール“アクセス集中”でJAL混乱
JALが9日に始めた格安セールに、アクセスが集中しました。トラブルで販売中止になりましたが、旅行需要は回復しています。観光庁は、全国旅行支援を4月以降も継続する方針を示しましたが、利用している人の割合は多くなく、その属性には偏りもあります。
有働由美子キャスター
「日本航空のホームページが、アクセスが集中して一時つながりにくくなりました。9日に格安セールを始めたばかりでしたが、国内線の全路線、一律片道6600円という安さもあり、販売直後からアクセスが集中しました」
「ホームページ自体につながりにくい状態が夜まで続きました。この影響で国内線、国際線ともに航空券の購入や予約確認ができなくなり、結局このセールに関しては販売中止となりました」
「楽しみにしていた方はがっかりされたと思いますが、新型コロナウイルスも落ち着いて、『そろそろ旅行などに出かけたいな』という気運が高まっているということでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「そうです。旅行の需要は新型コロナ前とほぼ同じ水準まで戻ってきています」
小栗委員
「こうした中、観光庁は旅行が割引になる観光支援策『全国旅行支援』を4月以降も継続することを明らかにしました。まだ予算が余っているためで、少なくとも6月まで、地域によっては夏頃まで割引が続くとみられています」
有働キャスター
「旅行に行く人が戻ってきたのは全国旅行支援のおかげもあるのでしょうか?」
小栗委員
「実際にどのくらいの人が全国旅行支援を利用したのか。去年12月のニッセイ基礎研究所の調査によると、約5人に1人でした」
有働キャスター
「もう少し利用している人が多いのかな、と思っていました」
小栗委員
「そうですよね。どういう人が利用したのかというと、時間に余裕がある70歳以上の高齢者や、経済的に余裕がある世帯年収600万円以上の人が多かったといいます」
「逆に、利用しなかった人に理由を複数回答で聞いてみると、トップは『経済的に余裕がないから』(29.6%)、そして『感染の不安から外出を控えているから』(21.5%)と続いています」
有働キャスター
「旅行しやすくなるキャンペーンにもかかわらず、それを利用している人は限られているということですね」
小栗委員
「とはいえ、調査を行ったニッセイ基礎研究所の分析を見ると、利用者には偏りはあるけれども、観光業界が新型コロナで受けたダメージからしっかり回復し、経済を回すためには、当面旅行支援を続けていく意味はありそうです」
有働キャスター
「廣瀬さんは全国旅行支援、使っていますか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「まさに来週使おうかと思っていましたが、今日ホテルから連絡があり、『自治体独自の割引との併用期間が終わっていました』ということでした。現場はちょっと混乱しているなと思いました」
「それ以外にも宮崎に田植えに行くなど、楽しみです。ただ旅行自体、そもそもお金がかかるので、経済的に難しい人には支援の度合いを変えていくなど、柔軟な対応が必要かなと思います」
有働キャスター
「宿の現場の方たちにとっては毎回、支援の対応で本当に大変だと思いますが、行く方としては、これから良い季節です。子どもや若い人たちがもっと割引などを使いやすいキャンペーンを官民挙げてやってもらえると、レジャー全体が盛り上がるのではと思います」
(3月9日『news zero』より)