20年ぶりの新紙幣に期待と困惑 “完全キャッシュレス”に移行の店舗も
7月3日、1000円札と5000円札、そして1万円札の顔ぶれががらっと変わり、新たな紙幣が発行されます。新紙幣が登場するのは20年ぶりです。消費喚起への期待も沸く一方で、準備が間に合わない店などもあるようです。
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記者
「一瞬で1万円が印刷されていきます。渋沢栄一がどんどんできていきます。わずか10~20秒で3万円ができました」
次々と“発行”されていたのは、新1万円札そっくりの「お札パン」です。販売しているのは、渋沢栄一ゆかりの地、東京・北区のパン屋さん「渋沢逸品館」です。2日からは「新五千円札パン」と「新千円札パン」も登場しています。
厚さはどれも100万円の札束と同じ、1センチほど。そのあまりのリアルさに…
記者
「札束をバッグに入れているような感じです」
お値段は、どれも550円。ただ、お客さんが手に取るのは…
記者
「渋沢栄一3人買っています」「1万円札パン2枚ですね」
パンであろうと、1万円札は大人気。
新1万円札パン購入者
「フフッ。意外に重いもんだ、ヘヘッ」
──重さは200万円分あるらしいですが?
新1万円札パン購入者
「そうですか、ありがとうございます」
店舗責任者 鈴木知子さん
「これをもとに偉人の方々の功績も知るきっかけになれば」
百貨店では、新紙幣発行に合わせ、お得なイベントを開催中。千円、5千円、1万円と、それぞれ価格に応じた海鮮丼や肉弁当などが販売されています。(大丸東京店 ほっぺタウンPPKフェア 6月26日~7月9日)
3日に発行される新紙幣。細菌学者・北里柴三郎、教育家・津田梅子、実業家・渋沢栄一がそれぞれ新しい顔になります。お札には世界で初めて「3Dホログラム」技術が採用されていて、偽造防止効果がさらに高められています。
業界団体によると6月末時点で、金融機関のATM、切符の券売機、コンビニなどのレジは、ほとんど新紙幣への対応を済ませていますが、コインパーキングなどの精算機や飲食店の券売機はまだ5割ほど。飲み物の自動販売機は、2~3割にとどまっているといいます。