クリエーターが提案、新しい仏壇のカタチ
知っておきたいデータや情報をひもとく「input」。今回は「クリエーターが提案、新しい仏壇のカタチ」。レクター代表の松岡剛志氏に聞いた。
仏壇には様々な日本の伝統工芸技術が詰まっています。箱や机などを作る木地師(きじし)や、彫り師、うるしを塗る塗師(ぬし)、金箔(きんぱく)を貼る箔押師(はくおしし)、彫金師(ちょうきんし)など、本当にたくさんの職人さんが携わり、それも手作業でつくられています。この伝統技術を守り、継承するために、職人に新たな市場を開拓しようというプロジェクト「レゾンデートル」というイベントが先日、開催されました。6組のクリエーターが、新しい形のお仏壇を発表しました。
――こちらの仏壇は「心臓」の形をイメージ。思想や国、時代にとらわれず、「弔う」ことは世界共通だという考え方から、海外の方にも「仏壇」を使って欲しいというデザインです。本体は木でできていて、表面には漆、近未来的なデザインが、伝統工芸技術でつくられています。技術継承のためにこうやって市場開拓をしようという取り組みなんですけれども、いかがでしょうか。
本当にこれ素晴らしいと思っていて、なかなか仏壇を置くのが難しい現状において、様々なトライをするって、それがデジタルじゃないですけれども、トランスフォーメーションなんだなというふうに感じました。
――そうですね。仏壇DXというところでしょうか。それこそDXのように、今この業界、変化が必要だということで、デザインの力で新しいものを生み出して、このように職人さんたちを守っていくということが今後、大切になってくるんじゃないかなと感じました。
■松岡剛志氏プロフィル
レクター代表。レクターは、企業の最高技術責任者「CTO」の経験がある4人で立ち上げた会社。CTO経験を基に企業向け技術経営戦略のサポートをしている。ヤフーのエンジニアとしてキャリアをスタートした後、いくつかの会社でCTOを経験。CTOは比較的新しい仕事のため体系化された理論がない。多くのCTOや技術管理職の人が似たような問題に直面していることに課題を覚え、2016年にレクターを創業。2019年には日本CTO協会も立ち上げた。CTOをつなぎ、世の中に価値を還元する。
【the SOCIAL inputより】