北斎の「鳳凰図」は未完成だった? デジタル技術で“完成形”を表現
江戸時代の浮世絵画家・葛飾北斎の巨大な作品が、デジタル化して再現されました。
NTT東日本グループが展示するのは、長野県にある寺「岩松院」の天井に葛飾北斎がおよそ170年前に描いた「鳳凰図」です。大きさは縦5.5メートル、横6.3メートル。300億画素という精密なデジタル化技術でプリントし再現しました。
記者「木の風合いもわかりますし、筆使いも表れていますね」
一方、デジタル化する過程で、この「鳳凰図」が未完成だったことがわかったと言います。
NTT ArtTechnology・国枝学社長「これだけの金箔(きんぱく)を使いたい、用意してほしいという北斎のメモ書きがあったんですけど、その量からしますとかなり少ないということがわかりましたので、北斎の意図通りにはできていなかったという点においては、未完成だったということで」
そこで、こちらは北斎の思い描いていた通りに金箔を使っていたらどうなっていたか…という再現も展示されました。
実際の「鳳凰図」と同じように天井につるし、周りには絵の世界観を表した映像をプロジェクションマッピングで流します。
北斎が描く際に意識したという西日までも再現し、絵の中で鳳凰の輪郭がひときわ輝く様子も見ることができます。
2日から来月3日まで展示されます。