富士通がきょう午後に決算会見 「史上最大のえん罪事件」説明は…
イギリスの郵便局を舞台にした「史上最大のえん罪事件」をめぐり、責任の有無などが問われている富士通が31日午後、決算会見を行います。時田隆仁社長は出席しませんが、会見で責任や補償について何らかの説明があるのか注目されます。
富士通は31日、午後3時半から第3四半期の決算会見を開きます。当初から時田社長の出席予定はなく、磯部武司取締役(CFO)が説明を行う予定ですが、会見の中で「えん罪事件」の責任の所在や補償などについて何らかの説明をするのか、また、経営への影響はどの程度あるのか、などに関心が集まっています。
この事件は、1999年から富士通のイギリスの子会社が納入した会計システムによって会計記録と郵便局の残高が一致しなくなり、郵便局長ら700人あまりが横領や詐欺などの疑いで訴追されたものです。その後、2019年に裁判所がようやくシステムの欠陥を認めましたが、有罪判決が覆されたのはまだ一部にとどまっています。
イギリスではいったんは過去の話として一般の人たちの記憶から遠のいていたものの、今年の元日から事件を題材にしたドラマが放映され、イギリス国民の事件への怒りが噴出する形となりました。
16日にイギリス議会に出席した富士通のヨーロッパの責任者を務める執行役員は「不具合があることは当初からわかっていた」と認め、時田社長もイギリスの公共放送「BBC」の取材に対し、「郵便局長やその家族の人生に壊滅的な影響を与えたことをおわびする」と謝罪。今後について、富士通は18日付で次のようにコメントしています。
「当社の英国子会社が全面的に協力している英国の法定調査では、長年に及ぶ複雑な事象について調査が進められており、今後も引き続き協力してまいります。また、今後の法定調査の結果に基づいて、補償への貢献も含めて、英国政府とともに適切な対応に取り組んでまいります。富士通グループとしては、被害者の方々にとって公正な結果が得られるよう早期の解決を望んでおります」