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サイズで“味が違う”ペットボトルも 清涼飲料業界で進む「小型化」と「ラベルレス」

2022年4月18日 21:20
サイズで“味が違う”ペットボトルも 清涼飲料業界で進む「小型化」と「ラベルレス」

時代と共に、大きさや形が進化するペットボトル。サイズによって味を変更しているという「ペットボトル入り緑茶」、リサイクルの際にコスト削減につながる「ラベルレス飲料」が登場しました。清涼飲料業界で進む「小型化」と「ラベルレス」を取材しました。

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普段、ペットボトル飲料は、どのサイズを選ぶのでしょうか。街の人に聞きました。

「500ミリリットル」

「2リットル。けっこう子どもがいると、飲むので」
 
『大きい方がお得』という人がいる一方、『大きすぎると、飲みきれない』という人もいました。ある女性は、手のひらサイズのペットボトルのお茶を見せてくれました。「ちょうど持ってますから、お見せします。このくらいのサイズが一番便利です。本当を言えば、これよりもうちょっと小さいサイズがほしい」と話します。

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お茶の「伊藤園」は、このサイズに目をつけました。容量195mlの「極小ペットボトル」を新たに販売しました。元々、伊藤園では、280mlのボトルも販売していましたが、今回、サイズをさらに小さくした理由を聞きました。

伊藤園 緑茶ブランドグループ ブランドマネジャー 安田哲也さん 
「接客でありましたり、会議・打ち合わせで、お茶出しができないという」

この“コロナ禍”で、「急須で入れたお茶は、衛生的に出しづらい」「会議の時間も短くなって、飲みきれない」という声を受けて、伊藤園では「極小飲みきりサイズ」に需要があると見込みました。さらに、あるこだわりも――

伊藤園 緑茶ブランドグループ ブランドマネジャー 安田哲也さん 
「小さいサイズは“やや飲みごたえ”があって、この1本でご満足いただける品質にしております」

伊藤園「お~いお茶」はサイズによって味わいの違いがあり、大きいサイズはゴクゴクと飲めるスッキリとした味ですが、極小サイズは1本で満足感を得られる飲み応えのある味に変えているということです。

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そして、ここ最近、お店で見かけるようになったのが、ゴミ捨ての時に剥がす手間がなく便利な「ラベルレス飲料」です。街の人に聞いてみると、「(分別のときに)フタだけとればいいので楽です。ラベルなくてもいいかなと」と好意的な意見もありました。

キリンビバレッジは、従来の「生茶」に加え、来月24日から新たに「午後の紅茶 おいしい無糖」「ファイア ワンデイ ブラック」のラベルレス商品を、ECサイト限定販売で展開します。

キリンビバレッジ企画担当 大谷浩世さん
「『この味で』ともう決めてご購入されるお客様については、もうラベルのコミュニケーションはそれほど必要ないだろうと」

既におなじみの主力ブランドを「ラベルレス」にすることで、キリンビバレッジでは年間約4.5トンのプラスチック削減を見込んでいます。また「ラベルレス」にすることで、あるメリットもあるということです。

キリンビバレッジ企画担当 大谷浩世さん
「リサイクルを、よりコストをかけずに回していくということに貢献すると思っています」

ラベルレスにすることで、リサイクルの際、分別にかかる人件費などのコスト削減にもつながるということです。

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清涼飲料業界で進む「小型化」と「ラベルレス」。その両方を実現したのが、日本コカ・コーラが今月25日から販売を開始する、350ml「ラベルレス」ペットボトルです。日本コカ・コーラの、あるこだわりとは――懐かしの瓶の「コカ・コーラ」のデザインを「ラベルレス」で再現しています。

日本コカ・コーラ コカ・コーラ事業部ディレクター 佐々木章乃さん
「こちらの独創的なグラスボトルというものがあり、できるだけ、こちらのデザインシェイプ(形)を踏襲するかたちで」
「これからは環境への意識も高まっていますし、原点回帰でもあり、“進化”でもあると」
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私たちの暮らしに身近なペットボトル。時代とともに、大きさや形が進化しています。