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【解説】トヨタグループで不正発覚相次ぐ 今後の影響は?

2024年1月30日 19:38
【解説】トヨタグループで不正発覚相次ぐ 今後の影響は?
不正が相次いで発覚しているトヨタグループ。今回の事態をどう捉えればいいのか、今後どのような影響が考えられるのか。日本テレビ解説委員、安藤佐和子経済部デスクに聞きました。

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藤井貴彦キャスター
「トヨタグループで相次いで不正が発覚していますが、この意味合いをどのようにとらえればいいんでしょうか?」

安藤佐和子解説委員
「トヨタは言うまでもなく日本を代表する企業で、30日には世界販売台数で4年連続トップとなったと発表しました。トヨタグループは今回、問題となった豊田自動織機、ダイハツ、日野自動車などを抱える巨大グループです。関連する生産、販売、部品会社で働く人は世界で37万人います」

藤井キャスター
「37万人! そんなに多くの人が関わっているんですね」

安藤解説委員
「今回のようにグループの会社の不正を受けて、トヨタ車の一部の生産も停止になっています。こういう事態になりますと、中小下請けの取引先企業がたくさんあるので、多くの人たちに影響を及ぼす可能性もあります」

藤井キャスター
「トヨタ本体はこの一件についてどう見ているんでしょうか?」

安藤解説委員
「30日、豊田章男会長の会見がありましたが、今回の不正が何を示しているかについて、『会社・グループが大きくなりすぎて原点を見失っている』『グループの会社がトヨタにものが言いづらい、ということもあると思う』というような認識を示しました。29日夜、佐藤社長も『グループ内で現場と経営層に乖離(かいり)がある』というふうに課題認識を示しました」
「トヨタの企業価値が落ちてしまうと、部品メーカー、販売店、多くの経営や雇用に影響が及ぶことになります。日本の製造業の不正というのは今に始まったことでなくて、多くの企業の不正というのが見つかり続けています。ですから今回、体裁を整えてなんとか納めるなどというようなことのないように、日本をリードするトヨタらしく、日本の製造業の不正の抜本的な解決になるような改善策を示して欲しいと思います」

藤井キャスター
「グループ全体がかなり大きな企業になりましたので、それぞれがいい車を作りたい、いい製品を作りたいという気持ちが歯車となって組み合っていない状態が今に現れているのかもしれません」