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日銀・田村審議委員“2025年度後半には少なくとも政策金利を1%に”

2025年2月6日 19:33
日銀・田村審議委員“2025年度後半には少なくとも政策金利を1%に”

日本銀行の田村審議委員は6日の講演で、物価の過度な上昇を抑えるために、2025年度後半には政策金利を少なくとも1%程度まで引き上げる必要があるとの考えを示しました。

長野県で講演した田村氏は今の物価の動向について、「2%以上のインフレが3年近く続いているうえに、日本人にとって重要な『お米』の大幅な価格上昇が、個人消費に悪影響を与えてしまわないか懸念している」と述べました。さらに、人手不足に伴い人件費が上昇し、そのコストが製品やサービスの価格に転嫁される動きもふまえると、物価が日銀の見通しより上振れるリスクが膨らんできているとの見方を示しました。

田村氏はその上で、「短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価安定の目標を持続的・安定的に達成する上で必要だ」として、2025年度後半には政策金利を、少なくとも1%程度まで引き上げる必要があるとの考えを示しました。

田村氏は、日銀の政策を決める9人の政策委員の中では、利上げに前向きだとみられています。2024年9月の講演では、2026年度までの(日銀による)見通し期間の後半に少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げていくことが必要だと述べていて、今回は、自身の考える利上げのペースを早めた形です。

田村氏の発言をうけて、外国為替市場では日銀が今後の利上げにも前向きだとの受け止めから円高が進み、円相場は6日午前に一時、1ドル=151円80銭台まで上昇しました。およそ2か月ぶりの円高水準です。

最終更新日:2025年2月6日 19:47