×

【解説】投資する? 「新NISA」利益とリスクは 専門家「“リスク”をどの程度許容できるか考えること」

2024年2月14日 5:49
【解説】投資する? 「新NISA」利益とリスクは 専門家「“リスク”をどの程度許容できるか考えること」

2月13日は政府が掲げる「NISAの日」。今年から非課税枠などが拡充された「新NISA」がスタートしています。株式投資に詳しい市川雅浩さんは、NISAはコツコツ投資していこうという若い世代には向いているといいます。リスクはあるのでしょうか。

■若い世代向け? NISAでコツコツ投資

有働由美子キャスター
「13日の日経平均株価の終値は3万7963円。バブル期の後の最高値を更新しました。これだけ上がり続けると、株を買った方がいいのと思う人もいると思いますが、実は今日は2月13日。政府が掲げる『NISA』の日とされています」

「NISAというと、株式投資などで得る利益に税金がかからないのが最大のウリです。その非課税枠などが今年から拡充されて『新NISA』がスタートしています。news zeroのスタッフに『NISAやっている?』って聞いてみたら『私、余裕ないんですけど』という声があがりました。そういう人はどうしたらいいですか?」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「いきなり専門家に聞いてみました。株式投資に詳しい三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩さんが言うには、『NISAは今、貯金がそれほどなくても、少しでも余裕があってコツコツ投資していこうという若い世代には向いている』とのことです」

■株価の上がり下がり…長いスパンで見ると?

有働キャスター
「コツコツ投資がポイント?」

小野解説委員
「新NISAは2種類あります。まず『成長投資枠』。これは投資信託に加えて、上場企業の株などにまとまったお金の投資もできるというものです。そして『つみたて投資枠』。これは長い期間をかけて増やしていくのを目的とするもので、月100円から積み立て可能な金融機関もあります。少額で少しずつ運用できるということで、初心者でも幅広い年代が利用しやすい仕組みになっています」

有働キャスター
「長い期間、銀行預金に預けるのと比べると、より上がりというか…可能性がありそうな方にかけてみるということですよね」

小野解説委員
「理想的にはこうなりますというシミュレーションを金融庁が示しています。毎月の積み立てが1万円で年利3%の収益が期待される金融商品に投資、20年間積み立てします。利益が20年目には88万3000円(非課税)になります。あくまで理想の形ですから、期待通りに収益がでなかったり、元本割れするおそれもあります」

有働キャスター
「今は株価が上がっているといっても、バブル崩壊を知っている者としては、また下がって大損するんじゃないかみたいなことを考えるんですが…」

小野解説委員
「たしかに怖いですよね。そこでこのグラフ(米・株価指数(S&P500)実績)を持ってきました(マネックス証券より ※1982年11月末を100として指数化)。アメリカを代表する500の株式の銘柄で構成する指標です。2008年のリーマンショックの時すごく落ちていますが、数年後には上がり始めています。そして、新型コロナの時も落ちましたがその後、回復して以前を上回っています。短期で見ると落ちることがあっても、長いスパンで見れば右肩上がりになっていくと。だから、長い期間投資する方がリスクを避けやすいという、こうした例もあるということです」

有働キャスター
「うーん…じゃあ買った方がいい?」

小野解説委員
「でも、市川さんは『みんながやっているからとブームに流されてはいけない。元本割れなどのリスクを自分はどの程度許容できるか考えることが大事だ』と言っていました」

有働キャスター
「落合さんにも聞いてみましょう」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「日本人は貯蓄が多くて市場流動性がある資金があまりに少ないから、市場に資金を供給して株価を上げていこうという政府の意図があって導入されたのがこのNISAの話です。その結果、今株価が上がっているわけですが、だから、普通預金よりはNISAの方が有利というのは大前提としてありますが、それはみんなが乗っているエスカレーターなので…それに頼り切るのではなく、例えば転職するとか起業するとか、自分自身で考えた方がいいと思います」

有働キャスター
「そっちか…」

落合准教授
「将来、税金が上がらないとも限らないですからね」

有働キャスター
「その辺も含め、いろいろな情報を集め、それから投資の仕組みの理解。これはどちらも大切です」

(2月13日放送『news zero』より)