日銀は２１日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を維持することを決めました。一方で、今年度の実質ＧＤＰの成長率見通しは下向きに修正しました。

日銀は金融政策決定会合で、国債の買い入れを無制限に行うなどの大規模な金融緩和策を維持することを賛成多数で決めました。その上で、新型コロナの影響を受けている企業への資金の貸し出しを促すための金融機関への資金供給策を１年延長し、来年６月末までとしました。

また、２１日に公表した経済や物価情勢の「展望リポート」では、国内の景気の現状について「引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」とする一方、今年度の実質ＧＤＰの成長率の見通しについてはマイナス５．６％と、前回から０．１ポイント引き下げました。

新型コロナウイルスの感染拡大で１１都府県に緊急事態宣言が発出される中、黒田総裁は「対面型のサービス消費を中心に下押し圧力の強い状態が続いている」と話し、「感染拡大の影響には不確実性があり、必要があれば躊躇（ちゅうちょ）なく金融緩和措置を講じる」と強調しました。