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時短で翻弄…飲食業界 攻めの戦略で活路を

2021年4月8日 18:30
時短で翻弄…飲食業界 攻めの戦略で活路を

新型コロナウイルスの感染拡大で、初めての緊急事態宣言が出されてから、1年がたちました。その間、飲食業界は、休業や時短営業などに翻弄(ほんろう)されてきましたが、その中でも、新しい営業形態にチャレンジする店を取材しました。

8日、発表されたカフェ・バーチェーン「プロント」の新店舗。店員が運んできたのは、酒場でよく見る「のれん」。実は、この新店舗、喫茶店と酒場を合わせた「キッサカバ」というコンセプトの新業態。出てくる料理も「炙り〆鯖(あぶりしめさば)」やから揚げなどです。

午後5時以降、カフェから酒場になるという「プロント」では、店員のユニホームも変わります。なぜ今、営業の型を変えたのでしょうか?

プロントコーポレーション 取締役プロントカンパニー長・片山義一さん「昼はかっこいいカフェなのに、夜になったら、いきなり酒場に変わったと。この驚きをうまく業態として表現して、面白いねっていう来店動機を作りたかった」

オフィスに近い立地を生かし、「すぐに飲みに行ける場所」として、新しい客層の獲得を狙っています。

   ◇

コロナ禍で冷え込む外食需要。民間の調査会社が8日に発表した、昨年度の企業倒産のうち、コロナ関連は全国で1148件。今年に入ってからは、特に件数が増え続けています。

そんな中、攻めの戦略に出た企業も――

ミラノ風ドリアなど、お手頃価格のイタリアンでおなじみの「サイゼリヤ」。8日、オープンする店には、ある特徴があります。店の広さは、普通の店舗の半分ほど。カウンター席もあり、客席も通常の3割ほどの小型店です。その理由は?

サイゼリヤ変革推進部長・内村さやかさん「駅前でも、コンビニの立地があいてきたりですとかしてますので、この40坪の形で出店の立地が増やせるんじゃないか、逆に増やしていった方が、収益性が高まるんじゃないかと」

実はここ、コンビニの跡地に造られたお店。小型店にすることで、比較的人通りが多く、集客しやすい立地に出店できます。さらに、少ない人数で営業できるため、人件費などを大幅に抑えられるといいます。

もう一つの特徴は、大きな冷凍庫。お店でも出している「辛味チキン」なども冷凍で販売。店の味を自宅で楽しむ、コロナ禍での新たな需要を見込んでいます。そのイチオシ商品が「エスカルゴ」です。

   ◇

コロナ禍の中で、様々な戦略を打ち出す飲食業界ですが、関係者は、「時短要請と解除の繰り返しで、経営の我慢は限界に近づいている」と話しています。生き残りをかける外食業界、次はどんな一手を打ってくるのでしょうか?

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