飲み物はキープ?定額?新しい買い方
この春、飲み物の新しい買い方を提案するサービスが相次いではじまりました。毎日買う人にとっては便利で割安な一方、企業側にもそれぞれねらいがあるようです。
■コンビニで水やお茶を「ボトルキープ」
ファミリーマートは、3月末から水とお茶の「ボトルキープ」サービスを開始しました。コンビニで「ボトルキープ」とはどういうことでしょうか。
利用者は、ファミリーマートの提供するアプリから「お茶」か「水」を選んで、回数券を購入。すると、アプリ上に自分専用のバーコードが発行されます。これで、ペットボトル24本分の「お茶」か「水」を「キープできた」ということに。キープできる期間は、180日間。期間内であれば、全国のファミリーマートで受け取りが可能です。ペットボトルをレジに持って行き、アプリのバーコードを提示すると受け取れるということです。
■「水やお茶」でサービス展開のねらいは?
「ボトルキープ」の対象となるのは、プライベートブランドの水2種類と、お茶5種類です。これらは通常1本100円で販売されていますが、このサービスを利用すると、24本で1900円。1本あたり20円ほど割安になる計算です。
ファミリーマートでは、購入頻度が高い「水やお茶」を安く買えるサービスを提供することで、客がファミリーマートを選ぶきっかけにしたいと考えています。
■サブスクで自販機を便利に
飲み物の新しい買い方を提案している企業は他にも。
コカ・コーラが4月からはじめたのは、自動販売機のサブスクリプションサービスです。コカ・コーラのアプリから申し込むと、月額2700円で1日1本、自動販売機から好きな飲み物を取り出すことができます。対応している全国の自動販売機、約34万台の中にあるものなら炭酸飲料や、お茶、コーヒーなど、どれでも選ぶことができるということです。
■減る自販機 飲料メーカーにとっては重要な収益源
価格設定がメーカーの希望通りにならないことが多い店舗販売と比べて、希望価格のまま販売することができる自動販売機は、メーカーにとって利益が見通しやすい収益源です。
現在、コカ・コーラが全国に設置している自動販売機の数は約88万台。しかし、近年は管理の人手不足などもあり、ゆるやかに減少しています。
そこで、コカ・コーラでは、便利さに加えて割安感もあるサブスクリプションサービスを通じて、「もっと自動販売機を積極的に使ってもらいたい」と、新たな自販機ユーザーの獲得に期待を寄せています。