GDP成長率が大幅アップ 「個人消費」1年3か月ぶりプラスも…“消費妨げる”ある問題が
国の経済力を示すGDP(=国内総生産)の今年4月から6月の成長率が発表されました。年率で3.1%増と大幅なプラスとなりましたが、その要因の1つは個人による消費でした。
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街で聞いてみました。“最近高い買い物をしましたか?”
20代
「ヘッドマッサージ器を買いました、1万6000円ぐらい。ボーナスが入ったので」
親子
「(息子用に)オーダーでスーツを買いました。賃金やボーナスもよかったので」
今まで手が伸びなかった商品を買ったという人たち。給料アップを実感している声が多く聞かれました。
国の経済の力を示す今年4月から6月のGDP(=国内総生産)。前の3か月に比べ増加し、この勢いが1年間続いた場合の「年率」で換算すると、プラス3.1%の成長率となりました。今回GDPを押し上げたのは、マイナスが続いていた「個人消費」。1年3か月ぶりにプラスになりました。
百貨店の売り上げを見てみると、5月、6月は前の年に比べ14%台の増加となっています。(日本百貨店協会の調査)
外国人観光客による買い物が多いだけでなく、日本の若い世代の間でも10万円以上するアクセサリーなどの購入が増えているといいます。
夏休み真っただ中の原宿を訪れると、大勢の人で賑(にぎ)わいを見せていました。
しかし、古着店「YAMAHISA USEDCLOTHING SHOP」では…
YAMAHISA USEDCLOTHING SHOP 竹下通り店 山口沙耶さん
「去年の7月の売り上げと比べて、50万円落ちています」
6月までは去年の売り上げを上回っていたものの、7月になった途端、売り上げが減少したといいます。
YAMAHISA USEDCLOTHING SHOP 竹下通り店 山口沙耶さん
「人通りも去年の方が竹下通りは多かった。去年は(人が多くて)歩けないくらい。暑さで外に出る人が少なくなってしまった」
猛暑で客足が遠のいたのではないかとみています。
暑い夏に食べたくなるアイスクリーム。しかし、ここでも“異変”が…
ロールアイスクリームファクトリー池袋東口店 亀井咲希さん
「今年の夏は全店舗、例年より3割くらい売り上げが下がってしまって、“行列だと暑いから並ばない”というお客さまがすごく多い」
7月は本来、売り上げが増えると期待していましたが、暑さの影響で逆に客数が減少してしまったといいます。
街の人も…
会社員(20代)
「飲み物しか買ってないです。食べ歩きもしんどかった」
暑くなると“猛暑効果”で夏服や飲料などの消費が増えると言われていますが…
三菱UFJ リサーチ&コンサルティング 小林真一郎主席研究員
「現在の状況は猛暑を通り越した『酷暑』という状態。逆に個人消費が落ちてしまう」
暑すぎることで消費が抑えられてしまっているといいます。
さらに今後は、南海トラフ地震への懸念や株価の乱高下などが消費に影を落とす可能性も指摘。
三菱UFJ リサーチ&コンサルティング 小林真一郎主席研究員
「節約志向が本当に後退してくれるのかどうか、(生活への)安心感が広がってこないと、せっかく手元にお金があったとしてもそれを使おうという気にはなかなかなれない」
ようやく消費拡大に火をつけた賃上げ。景気の回復が続くかどうかは、給料が上がった分ためこまずに使われるかがカギとなります。
(8月15日放送『news every.』より)