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「アライ」の輪 性的マイノリティー支援に

2021年6月6日 14:28
「アライ」の輪 性的マイノリティー支援に

■性的マイノリティーの支援に重要な「アライ」の広がり

10人に1人が性的マイノリティーだとされる中、すべての人が自分らしく生きられるよう支援する動きが企業から広がっています。

■「アライ」を知っていますか?

「アライ」は、仲間や同盟を意味する英語の「Ally」が語源。性的マイノリティーの人たちを理解し、差別や偏見をなくすことを目指して支援する人たちのことです。

2021年4月、大手日用品メーカーのP&Gはインターネットで、性のあり方について15歳から69歳までの人にアンケートを実施しました。この調査の回答者5000人のうち486人、つまり10人に1人近くが性的マイノリティーの当事者だと回答。

こうした性的マイノリティーの当事者が不快な言動を受けたとき、近くで支える「アライ」の行動が大切だといわれています。

■具体的な支援の行動は難しく…

しかし、この「アライ」という言葉、「聞いたことがある」という回答を含めても、わずか7.7%の人にしか知られていないことが調査でわかりました。

また、「アライ」の考え方に54%の人が「共感する」と答えました。しかし、共感している人であっても、およそ70%の人が「アライとしての行動ができていない」というのが実情です。

少しでも認知度をあげ、性的マイノリティーの人が感じる「生きづらさを解消したい」、P&Gは2020年から社内で「アライ育成研修」を実施しています。アライの具体的な行動として、偏見がある会話があったら止めること、会話のあとに「大丈夫だった?」と声をかけることなど事例をあげて学びます。

■薬局のアルバイトにも広がる「アライ」の輪

さらにもうひとつ、P&Gが力を入れているのは「アライ」の輪を社外にも広げること。2021年5月に、「アライ育成研修」を団体や企業に無償で提供すると発表しました。

この取り組みにいちはやく賛同したのが、全国にドラッグストアを展開するウエルシア薬局です。

ウエルシア薬局はこれまでに、社員から店舗のアルバイトスタッフに至るまで、およそ8000人に対し性的マイノリティーへの正しい理解を深める研修を実施。

そして2021年5月からはじめたのが、研修を受講して「アライ」の考え方に共感した人に「ALLY」と書かれた小さなシールを配布することです。スタッフらが身に着けている名札に貼れば、何もいわなくても自分は「アライ」であると買い物に来た客らに伝わります。このシールを全国の店舗に20枚ずつ配りましたが、中には「20枚では足りない」と申し出てくる店舗もあったといいます。

ウエルシア薬局人事本部の遠藤さゆりさんは「職場にも来店客にも、性的マイノリティーが必ずいる」と考え、これらの取り組みを進めています。6月からはP&Gが提供する「アライ育成研修」を取り入れることで、すべての人が気持ちよく過ごせる職場・店舗づくりを進めたいとしています。

1枚のシールからでもはじめられる性的マイノリティーへの支援。誰もが自分らしく生きられる社会を目指して、「アライ」の輪が広がりをみせています。