何度でも洗える!和紙100%デニムを開発
サステナブル(持続可能な)ファッションが注目されるなか、和紙100%の素材で作られたデニム生地が開発されました。
■和紙100%のデニム生地を開発
和紙繊維の製造会社「キュアテックス」が今月18日からオンラインサイトで販売するのは、和紙100%で作られたデニム生地のジーンズです。
重さが一般的なジーンズよりも2割ほど軽くなり、吸水性が良いため夏でも蒸れ知らず。和紙から作られているのに、何度でも洗って使用することができるということです。
以前、JAXA=宇宙航空研究開発機構が宇宙飛行士のための靴下に採用した、抗菌性・素材軽量化の技術が生かされています。
海外にも和紙糸の伝統技術を広めたい。そんな思いから世界的に親しみのあるジーンズの開発に挑み1年以上かけてテストを繰り返し完成したということです。
開発過程では、ジーンズの丈夫さを出すために、和紙糸を何本も組み合わせて太い糸にする必要があり、出来上がりのバランスや風合いを出すのに苦労したといいます。
■土にかえりやすい素材…土壌の環境改善にも
また、「キュアテックス」によると、廃棄する際、このジーンズは、ほかの天然繊維が土にかえるまでに1年以上かかるところを、およそ半年でかえすことができるといいます。
さらに原料の和紙糸は土の中の微生物の動きを活性化させる働きがあるとして、農業用の土壌の改善に役立てることが期待されています。
環境省によると、家庭で手放した服はおよそ66%が再資源化されず、焼却処分や埋め立て処分されているということです。
ファッション産業は国際的にも環境負荷が大きいと指摘されているなか、日本でもサステナブルファッションへの取り組みを加速させる必要があるとしています。
動画・画像提供:キュアテックス