輸入牛肉 卸売価格が高い!
輸入牛肉の卸売価格があがっています。今後、小売価格にも影響する可能性があります。
■輸入牛肉の卸売価格が高い!
農林水産省によりますと、日本の輸入牛肉のシェアは、アメリカ産とオーストラリア産で、およそ9割を占めています。
独立行政法人農畜産業振興機構によりますと、アメリカ産の牛肉の肩ロースやサーロインは、4月の卸売価格が前年同月より1割から2割高く、牛丼や焼き肉に使われるバラ肉も6割以上高いといいます。
また、オーストラリア産牛肉の卸売価格も、去年から徐々に高くなっているといいます。
こうした卸売価格の上昇は今後の小売価格にも影響する可能性があります。値上がりの理由を農林水産省の担当部署に聞きました。
■【アメリカ産牛肉】値上がりの理由
農水省によりますと、アメリカ産牛肉の卸売価格の値上がりは、アメリカ国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、外食の需要が戻ってきたほか、中国や韓国からの需要が増えていることが理由だとしています。
具体的には、中国ではコロナ禍での経済低迷から景気が回復してきたことで、牛肉の需要が高まっていることや、ASF=アフリカ豚熱で中国の国内の豚が殺処分された影響で牛肉の輸入量が増えているといいます。
一方、韓国でもコロナ禍の巣ごもり需要で、味付きの牛肉の消費が増えているといいます。
農水省の担当者は、当面、卸売価格が高くなる可能性があると予想しています。
■【オーストラリア産牛肉】値上がりの理由
また、オーストラリア産牛肉の卸売価格の値上がりは、国内で牛の頭数を増やすために、出荷を控えていることが原因だとしています。
おととしまでの干ばつの際には、牧草が育たず飼料が少ないため、牛が痩せないように出荷を早めていたということですが、現在は牛の出荷を減らし、牛の数を増やしているということです。
農水省の担当者は、牛の頭数が回復するには1~2年はかかるだろうと予測しています。
また、農水省の担当者は、輸入牛肉の卸売価格の上昇が、今後、小売価格にも影響する可能性があると話しています。