服の素材の環境負荷を“見える化”
服の素材が環境に与える負荷を“見える化”する動きが衣料品メーカーの間で広がっています。
■洋服を買う際、環境への負荷が“見える化”
こちらはオンラインサイトで洋服を購入する時に確認できる表示です。CO2排出量は6.1kg、水使用量は14.2リットルと書かれていて、洋服の素材が環境に与える負荷が“見える化”されています。
この指標は、「Higg Index」と呼ばれ、持続可能なアパレル産業を目指す非営利団体「サスティナブル・アパレル・コーリション(SAC)」によって開発されました。
こうした指標の導入を始めたのは、ニコアンドやローリーズファームなどを展開する衣料品メーカー「アダストリア」の子会社が3月に立ち上げたブランド「O0u(オー・ゼロ・ユー)」。
数値データのほかに、温暖化、水不足、資源枯渇、水質汚染の4つの項目について、環境負荷の度合いが消費者にわかりやすいように3段階の顔のイラストで表されています。
ブランドを展開するアドアーリンクは、「できていることもできていないこともお客さまに開示することで、透明性を担保しブランドへの信頼を持ってもらえるように取り組んでいる」としています。
■H&Mでも消費者向けに表示
一方、ファッションブランド「H&M」でも5月に、ヨーロッパやアメリカのオンラインストアで取り扱っている一部商品で、「Higg Index」を使い、素材の環境負荷を消費者に示す取り組みを始めました。
対象製品には、環境に配慮しているかどうかの度合いが、「Higg Index」が定めた「標準値」から「レベル1、2、3」で示されるほか、水の使用、地球温暖化、化石燃料の使用、水質汚染などへの影響に関するデータも表示されています。
H&Mは、「消費者にはより多くの情報を得た上で購入の判断をしてほしい」としていて、2022年度中にはオンラインストアを展開する日本を含めた52の国と地域すべてで、「Higg Index」を用いた環境負荷の情報開示を目指しているということです。
画像提供:アドアーリンク