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経済
2021年7月5日 20:17

コロナ禍で労働時間減も「学び」つながらず

コロナ禍で労働時間減も「学び」つながらず
(c)NNN

リクルートは5日、ここ5年の「働き方の変化」について調査結果を発表しました。コロナ禍の在宅勤務で労働時間は減少しましたが、自律的に学ぶ時間は減っていることがわかりました。

■「自律的な学び」定着せず

調査は2016年から2020年の5年が対象。「就業の安定」や「ワークライフバランス」など、日本の働き方に関する5つの指標のほぼすべての水準が上昇するなか、5年前との比較で、唯一下降したのが「学習・訓練」だといいます。

この項目は2017年から2年にわたって上昇していたにもかかわらず、2020年に前年比マイナス2.1ポイントとなり、大きく下降したといいます。コロナ禍で在宅勤務が増え、長時間労働が大きく減ったはずの去年、なぜ「学ぶ」ことが減ったのでしょうか。

調査によると、テレワークを実施する企業が増えた一方で、職場で「見て学ぶ」機会が減ったことが理由だとしています。特に、日々の仕事をしながらの学び(OJT)の機会は前年比マイナス1.9ポイント。会社で研修会などを開いて行われる学び(OffーJT)の機会もマイナス4.2ポイントと大きく減少しました。

一方、意外なことに、残業や長時間労働が減った分、自発的な学びに時間が回されたかというと、「自己啓発」の時間も減少していて、前年比マイナス1.0ポイントという結果になりました。

■忙しい人ほど学ぶ。企業の後押しも必要

リクルートが2018年に行った調査でも、労働時間が減っても、自己学習を始める人が大きく増えるわけではないという結果で、むしろ、会社での労働時間が長い人ほど社外での学びに積極的だという傾向が見られました。

今回の調査では、コロナの影響で、企業が社員に難易度の高い仕事を提供しにくかったケースも影響し、学ぶ意欲をかきたてにくかったことが関係していると分析しています。

■一人ひとりの学習への意識や行動の変化も必要

リクルートワークス研究所 研究員の孫亜文さんは「今回の分析結果から、現状ではまだ日本人は自律的に学ばない傾向があることが分かった。オンラインツールが広がり、学習の方法が多様化したことはチャンスだ。従来の企業による学習機会の提供に加えて、個人が自律的に学びやすい状態になっているので、一人ひとりの学習への意識や行動が変わっていくことも望まれる」と話します。

■テレワーク、案外改善が低かった“自由度”の実感

さらに別の課題として見えたのは、働き方の自由度についてです。「勤務時間や場所の自由度が高い」の項目では、テレワークが増えた2020年でも前年比プラス0.4ポイントとわずかな上昇にとどまりました。

外出自粛が求められたことで、勤務場所が職場から自宅に変わっただけで、「自由度」そのものに変化がなかった人も増えた可能性があるためだとしています。

一方、「仕事量や負荷が適切である」の項目では、2020年は前年比プラス2.6ポイントとなり、上昇しました。これはコロナの影響で全体的な業務量が減っただけで、業務量の調整が改善された可能性は低いだろうとしています。

大規模な感染症で働き方も多様化するいま、働く方法ばかりに目を向けるのではなく、働きがいを持てる環境の整備も必要です。