来年度予算「概算要求」総額は過去最大に
来年度予算案の各省庁からの要求が、31日、締め切られます。概算要求の総額は111兆円を超え、過去最大となるみこみです。
要求は4年連続で過去最大となる見通しです。新型コロナ対策で国の財政が急速に悪化するなか、財務省は膨大な要求を大胆に絞り込み、効率的な予算案を編成することが求められます。
要求額が最も大きいのは厚生労働省で、33兆9450億円で過去最大となりました。新型コロナに対応する医療提供体制の確保に向け、今年度当初予算の倍にあたる56億円を要求するほか、ワクチンや治療薬の研究開発の推進に19億円を盛り込みました。
国土交通省も、災害対策や脱炭素化などで、今年度より18%増えます。来月1日に発足する「デジタル庁」は5426億円で、情報システムの整備や運用の経費を要求します。
各省の新型コロナウイルス対策は、金額を明記しないものが多く、年末に向け、さらに要求額が膨らむ可能性があります。
秋には総選挙もあり、大型の補正予算など、歳出拡大の圧力が強まるなかで、社会保障に改革のメスを入れ、コロナ後の経済再生と財政健全化を両立できるかが焦点となります。