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中国「恒大集団」経営悪化…世界的な株安に

2021年9月21日 20:28

中国の不動産大手「恒大集団」の経営悪化を受けた世界的な株安で、21日、日経平均株価は下落し、3万円を割り込みました。一方、「恒大集団」の創業者は、社員向けの通達で「計画通り事業を遂行することに自信を持っている」と述べました。いったい、何が起きているのでしょうか。

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中国・広東省にある不動産会社の本社ビルに、怒りをあらわにした投資家らが押し寄せました。

投資家
「お金を返してくれないなら、ビルから飛び降りる」

この企業が売り出した金融商品の返金などを求めたもので、警察も出動する騒ぎとなったのです。この企業をめぐって、今、中国各地で異変が起きています。

白を基調とした奥行きのあるリビングダイニングに木漏れ日がさしこむ寝室、企業が手がけるマンションのモデルルームです。しかし、北京市内にあるマンション15棟の建設プロジェクトが進んでいた場所では、最近になって突然工事が中断されたということです。建設が突然中断されたとみられ、作業員の姿もありません。

これらを手がけるのは、中国不動産業界の第2位に君臨する大企業「恒大集団」です。先頃、経営が悪化し、日本円にしておよそ33兆円にも及ぶ負債総額を出しています。中国当局が不動産価格の過度な高騰を警戒し、市場を引き締めたことも資金繰りが悪化した原因の1つとみられています。

この企業は、創業者の許家印前会長が一代で大企業に成長させた会社です。サッカーチームも保有していて、チームはスペインのレアル・マドリードと提携し、コーチなどを招集しています。中国でもトップクラスのチームへと成長しています。

さらに、電気自動車にも事業を広げ、今年4月の上海モーターショーでは、電気自動車9台を一気に展示しました。

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経営が悪化した影響は、世界にも波及しています。20日のニューヨーク株式市場ではリスクを回避する動きから、一時1000ドル近い大幅な下落となり、日経平均株価も3万円を割り込みました。
しかし、恒大集団の許前会長は21日、社員向けに強気な通達を出しています。

許前会長
「最も暗い時期を抜け出し、計画通り事業を遂行することに自信を持っている」

今回の経営悪化でリーマンショックの再来を懸念する声もありますが、海外の市場への影響は長引かないという分析も出ています。