一品勝負の“専門店”続々登場 その戦略は
メインのメニューは一つだけ。こだわりの専門店が、いま続々と登場しています。味はもちろん、値段の安さやフードロスの削減にもつながるというその戦略を取材しました。
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赤酢を使ったシャリに次々と敷き詰められていくマグロ。赤身や中トロだけでなく、濃厚な味わいの大トロものって、お値段1500円です。
今週火曜日、26日にオープンして連日満席の人気となっているお店、メニューはマグロ丼の一品勝負です。
まぐろとシャリ 坂本弓季店長
「マグロ丼専門店です」
銀座の高級すし店が監修し、カウンター8席のみで営業しています。
まぐろとシャリ 坂本弓季店長
「すしよりもカジュアルにお召し上がりいただくために、丼の専門店になりました」
ターゲットは今時の若者です。専門店にした理由は、高級ずしを少しでも身近に感じてもらいたいという思いからだということです。
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また、7月に東京・代官山にオープンしたのはチキンバーガー専門店「DooWop代官山店」です。
すみれ 湯澤忠則社長
「チキンバーガー専門店というチェーン店はなかなかなかったので、チキンバーガー専門店を開こうと」
多くのハンバーガー店で脇役となっていたチキンバーガーをあえて主役に抜てき。100グラム近くある大きめのもも肉をハーブとスパイスがきいた衣でカラッと揚げると、バンズで挟み完成です。オリジナルのソースで頂きます。
お客さん
「すごいチキンがカリッと揚がっていて、おいしかった」
お客さん
「珍しくて新鮮でおいしかったです」
実はこのお店、有名焼き鳥居酒屋チェーン店が始めたお店です。チキンバーガー専門にしたメリットは…
すみれ 湯澤忠則社長
「フードロスが非常に削減できていると思っています」
居酒屋よりも取り扱う食材の種類が少ないため、フードロスが減ったといいます。
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専門店の出店が相次ぐ背景には何があるのでしょうか?
第一生命経済研究所・経済調査部首席エコノミスト 永濱利廣さん
「専門店からすると、メニューが少なくなりますから食材のロスを減らせるとか、限定的なメニューを作るので作業が効率化されたりとか」
また、一つの食材を大量に入荷することで仕入れ値を安くできるメリットもあるといいます。
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目黒区のポークステーキ専門店「MALLORY PORK STEAK」。450グラムの巨大な豚肉の塊を低温調理で加熱し、じか火で表面がカリカリになるまで焼いたというボリューム満点のポークステーキです。
その大きさにお客さんは…
お客さん
「かなり大きいなと思いましたね。食べ応えあるし」
お客さん
「見た目すごいですよね。大きくてボリュームがあって」
ステーキはステーキでも、豚肉だけに特化した理由は…
株式会社57 今野健二代表
「お肉(の種類)を絞ることによって大量発注が可能になってくるので、仕入れのコストが安くなったりします」
1種類の肉だけを、月に1トンもの量を大量に仕入れることで仕入れコストをカット。その分、価格を抑えたということです。さらに、ステーキに特化したのでスタッフの作業も効率化できるといいます。
株式会社57 今野健二代表
「豚肩ロース1本でうちはやっているので、そこら辺もオペレーションも単純化できて効率がいいですね」
様々なメリットがある専門店。出店ラッシュは続きそうです。