物価高でも“新業態”続々登場 「グッズだけ」「シューズだけ」 攻める「企業戦略」その背景は…
1つの商品やグッズなどに特化した、新業態のお店が続々と登場しています。物価高が続く中、これまでと違う店舗を出す背景には、企業ごとに今後を見据えた戦略がありました。
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東京・銀座に18日、オープンしたのは、不二家の新たな店舗「Peko chan House ペコちゃんのおうち」です。洋菓子などは販売していません。こちらは、ペコちゃんのグッズに特化した専門店です。
さっそく訪れたペコちゃんファンが、購入したものを見せてくれました。「かわいいから大好き!」と話します。
ファン歴30年という男性は、限定の「福袋」を無事にゲットしていました。
ペコちゃんファン歴30年の男性
「朝一番に向かったんですよ、埼玉の方から」
男性は福袋を開け、お目当てのペコちゃん人形を見て、満足そうです。
「洋菓子店なのにグッズ専門店」という“新業態”で攻める背景には、今後を見据えた戦略がありました。
不二家 洋菓子事業本部店舗運営部 大坂光さん
「海外のお客様からも、非常に多くのグッズに関する問い合わせを多くいただいておりました。今後のインバウンド回復を見据えていることも、理由の1つでございます」
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日本で1番最初のハンバーガーチェーン「ドムドムバーガー」も、“新業態”の店舗がありました。
東京・銀座にある「ドムドムハンバーガープラス」では、黒毛和牛にゴルゴンゾーラチーズ、マッシュルームをたっぷりのせ、トリュフソースをかけ、米粉のバンズで挟んだハンバーガー「和牛バーガー ゴルゴンゾーラ&マッシュルーム」を食べることができます。値段は1890円。物価高が続く中、あえて高価格帯のハンバーガーで攻めています。
中でも目玉は、厚切りのロースカツにカレーソースをかけた「カツカレーバーガー」です。
食べたお客さんは「カレーがすごく本格的なんだなと思って、想像とは違った味で、とてもおいしいですね」と満足した様子。
実は「カツカレーバーガー」のソース、約75年、銀座の街で“カツカレー発祥の店”とされる洋食の老舗「銀座スイス」から譲り受けたものだそうです。
銀座という土地柄、「商品の質がよければ売れる」と自信を持っているということです。
ドムドムフードサービス 藤崎忍代表取締役社長
「味と費用(値段)と、みなさんにお考えいただければいいなと思っています」
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作業着などの専門チェーン「ワークマン」は、コロナ禍でも業績好調です。
ワークマン 広報部チーフ 鈴木悠耶さん
「『ワークマンシューズ』と言って、一般の方向けのシューズに特化した店舗になっています。先月、オープンしました
靴だけを販売する新業態「WORKMAN Shoes(ワークマンシューズ)」を、東京・豊島区に新たにオープンしました。
お客さん
「全部並んでいるので、すごく選びやすいなと思いました」
お客さん
「価格もかなり安いので、結構おしゃれな感じで、かわいいなと思いました」
中でも女性用シューズが人気で、脱げにくい構造で作られたパンプスなど、2000円ほどで買えて、普段使いできる靴を60種類以上とりそろえています。パンプスを試着した人も「やわらかくて、痛くないですね」と話します。
ワークマンが今回、靴だけの新業態で攻めた背景について、広報部チーフの鈴木さんは「実は、一般の方向けのシューズが、前年比140%以上。だったらシューズ専門を作ってしまおう…ということで」と説明します。
1つの商品に特化した“新業態”は、まだまだ広がっていきそうです。