【解説】円安のメリット・デメリット 観光活況も…人手不足に? 日本で暮らす人への影響は
26日、外国為替市場で円相場が一時、1ドル=150円70銭台まで下落し、約1年ぶりの円安ドル高水準となりました。日本で暮らす人にも影響がある「円安のメリット・デメリット」について、日本テレビ経済部の大野解説委員とお伝えします。
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藤井貴彦キャスター
「円安というのは、日本にいて、海外に行かなければ『あまり関係ないんじゃないか』と思う人もいると思いますが、日本で暮らす人にはどのような影響があるのでしょうか?」
大野伸・日本テレビ解説委員(経済部デスク)
「まずメリットとして、“日本にいるだけ”の人にも関わってくるのが、日本にくる外国人が、安く旅行をすることができるようになることです。そうすると、日本でお金をたくさん使ってくれるので、ホテルなど観光業界が活況になると思います」
「また、日本で製造されているモノも、海外では円安なので売りやすくなる。そうなると輸出企業にはメリットになると思います」
「しかし、ここまで円安が進んでいると、メリットより、デメリットも大きいのではないかと思います。例えば、日本は資源を輸入している国なので、原油価格などが上がると、企業の生産コストが上がります。そうなると、食品や洗剤、光熱費まで、あらゆるモノの値段が上がることが懸念されます」
「そして、日本人が海外に行きにくくなり、観光に行く人だけではなく、海外で勉強しよう、留学しようとする日本人の学生が減ってしまうことや、日本で稼ごうとして来る外国人も、円安なので給料をドル換算にすると減ってしまうため、日本で働こうとする外国人も減る。そうなると人手不足になることも懸念されます。そして、世界と日本の接点が減ってしまうことで、日本が内向きな社会にならなければいいと思います」
藤井キャスター
「海外旅行に行きランチが数千円したと驚いている方がたくさんいます。何か解決策はあるのでしょうか」
大野解説委員
「日本で新しい産業がどんどん生まれ、世界中から若い人が住みたい国になる。そうすると、日本の価値が上がる。そして、円のニーズも適正になっていくというように、経済成長をしっかりしていくことが大切だと思っています」