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明石のマダコが歴史的“不漁” 対策は「タコマイレージ」

2022年5月30日 19:38
明石のマダコが歴史的“不漁” 対策は「タコマイレージ」

日本有数のタコの漁獲量を誇る兵庫県明石市。今、歴史的なタコの不漁に悩まされています。地元の漁業組合などは現状を改善させようと、新たな取り組みを始めました。

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30日朝、兵庫県明石市の漁港にいくつもの漁船が戻ってきました。

記者
「今、明石のタコが続々と水揚げされています」

漁船の生けすの中にも、マダコの姿がありましたが、漁獲量は少ないといいます。

漁師
「全体的には少ない」

漁師
「今年全然」

漁師
「日本一の漁場なんだけど」

今、“明石のブランド”、マダコの漁獲量が激減しているというのです。

市や漁協などによりますと、去年の漁獲量はここ10年で最低で、2013年と比べると、およそ1/9にまで減少しました。

兵庫・明石市 東二見漁業共同組合 高橋夏輝さん
「(Q.激減の理由は?)海がきれいになりすぎてしまって、エサの貝とかがいないですね。(例年だと生けすの)ここまで詰まりますよ」

今年は去年よりは「期待できる」との声もある中、市内の商店街で明石焼きを販売する店からは、「(仕入れ値が)2~3年前から高いよ。頭悩ます」との声が上がっています。

大きなたこせんべいがウリの店は、苦渋の決断をしました。

永楽堂 富田章太さん
「(たこせんべい1枚)480円から本体価格が550円まで上がって」

不漁によるマダコの値上がり。

実は今年から、この減少する“明石ブランド”を守ろうと新たな取り組みが始まりました。

兵庫・明石市 東二見漁業共同組合 高橋夏輝さん
「組合に所属している遊漁船業者がタコマイレージいうて」

「タコマイレージ」とは、どんな取り組みなのか。

29日の早朝、多くの釣り客が乗る漁船に同乗させてもらいました。向かったのは、明石海峡です。

釣り客が狙うのは、もちろん新鮮なマダコです。ポイントに到着すると、次々とマダコがあがりました。

記者
「でかいですね」

釣り客
「(Q.すごい立派ですね?)もう3杯目です」

すると、釣り客に向けてアナウンスがありました。

船内アナウンス
「タコマイレージというのをやっているので、1匹逃がしてもらえたら1ポイントってポイントカード出してるから」

そもそも兵庫県では資源保護のため、客が釣った100グラム以下のマダコは、放流が決められていました。

釣り客
「小さいのばかり5匹、これリリースだな」

これとは別に、市の漁連などが、今年から100グラムを超えるマダコを放流した場合、ポイントを付与するタコマイレージという取り組みを開始したのです。

船内では、帰港する前に放流するタコを回収します。

船員
「これだけ逃がしたら未来につながりますからね」

釣り客
「(放流は)5匹。今後も釣れるように遊べるようにとは思いますね」

釣り客
「絶滅されたら困るから、大事なことだと思う」

29日は大小36匹のマダコが回収され、その場で釣り客らによって放流されました。

「はい、みんなで」

釣り客も参加する「資源保護」への取り組みです。

明石市遊漁船部会 松本正勝会長
「我々がタコ釣りを長く続けていくためにも、協力してもらえるというのはありがたい。全国に先駆けて、遊漁者と漁業者と県と一体になってやっていくことが大事」