半導体素材大手JSR、産業革新投資機構による買収計画を承認 買収総額は約9000億円
半導体素材大手のJSRは、官民ファンドの産業革新投資機構による買収計画を承認したと発表しました。買収総額はおよそ9000億円にのぼります。
JSRは、半導体の製造に欠かせない「フォトレジスト」と呼ばれる材料で、世界トップクラスのシェアを占めています。
産業革新投資機構は今年12月下旬にJSRの株式の公開買い付けを始めることを目指しており、買い取りに必要な資金はおよそ9000億円にのぼります。
順調に進めばJSRの株式は非上場化される見通しで、JSRのエリック・ジョンソン社長は、非上場化により経営資源を研究開発や設備投資に集中し、国際競争力を高めるのが狙いだとしています。
政府は、2030年に半導体産業の売上高を15兆円とする目標を掲げるなど半導体産業の強化を推し進めていて、JSRがいわば「国策会社」となることで、日本が強みを持つ半導体素材の分野で国際競争力を向上させたい狙いがあります。