携帯電話端末「1円販売」は独禁法の不当廉売の恐れ~公取委が結論
公正取引委員会は携帯電話端末のいわゆる「1円販売」などについて実態調査を行っていましたが、24日、その調査結果を発表し、1円など極端な低価格での端末の販売は独占禁止法で禁じられている不当廉売にあたる恐れがある、と結論づけました。
2019年の改正電気通信事業法では、通信契約とセットで販売する携帯電話端末の値引き額の上限を2万円に制限しています。
しかし、端末のみでの販売には制限がないため、キャリアと呼ばれる通信大手の販売代理店などで端末単体では値引き額が2万円を超える極端な低価格で端末が販売されるケースが後を絶ちませんでした。
中でも、「1円販売」は独占禁止法で禁止されている、不当に低価格で販売し他の事業者の活動を困難にさせる“不当廉売”にあたる恐れがあるとして、去年8月以降、販売代理店にヒアリングするなど実態を調査していました。
その結果、調査期間中販売代理店で販売された端末台数のうち14.9%が極端な低価格で販売されていて、さらに番号ポータビリティーで他社から乗り換えた客に対して行われた割合が33.6%と最も高かったことがわかりました。
理由について、販売代理店からは“キャリア(通信大手)から他社から乗り換える客の獲得件数の目標が設定され、年々目標が厳しくなっていて、目標達成のために極端に低価格での端末販売をせざるを得なかった”などの声が多く聞かれました。
公正取引委員会は直ちに独占禁止法上問題というわけではないとしながらも、今後広がってくると、通信契約を伴わずに端末販売のみを行っている事業者の活動を困難にし、問題となる恐れがある、と結論づけました。
今後、今回の調査結果をキャリアに示した上で、不当廉売について監視を強化し、違反が認められた場合には厳正に対処するとしています。