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店舗数が減るなか…広がる「新しい書店」

2022年1月29日 10:40
店舗数が減るなか…広がる「新しい書店」

本をオンラインで購入する人が増え、実店舗の書店の数は年々減少するばかりです。そんななか、「新しいスタイルの書店」が広がりを見せています。

■広がる「シェア型書店」

去年10月、渋谷ヒカリエにオープンしたのは、「渋谷○○書店」です。この店が普通の書店と違うのは、本棚ひとつひとつに、「棚主」と呼ばれるオーナーがいること。いわゆる「シェア型書店」なのです。

棚主は月額4950円を支払い、割り当てられた本棚のなかで、手持ちの本を好きな値段で売ることができます。棚主の年齢層は幅広く、お気に入りの絵本を並べる5歳の女の子から、かつて書店を経営していたという80歳の元本屋さんまで。

店内を見てまわっているなかで、自分好みの本棚を見つけたときなどには、本棚に設置されたノートを使って、その棚主にメッセージを残すことができます。また、この店の「店番」をしているのは棚主たちなので、こだわりの本棚について、直接話を聞くことも可能です。

月に一度、空きが出た本棚の棚主を募集していますが、受け付け開始から15分ほどで枠が埋まってしまうほどの人気だということです。

■老舗書店は、意外な異業種コラボ

明治42年創業の老舗書店「有隣堂」は、トヨタの高級車ブランド「レクサス」の新車販売店とコラボしました。

今月8日にオープンした神奈川の「レクサス武蔵小杉店」には、車を購入した人が利用できるラウンジがあります。そこに、有隣堂がプロデュースした本棚を設置。書店員ならではの目利きで選ばれたおよそ170冊の本は、4ヶ月ごとに中身が入れ替わります。また、本の置き方や飾り付けにもこだわっているということです。こうした「本棚のプロデュース」。有隣堂は他に、コワーキングスペースにも行っています。

■大手コンビニも「書店併設型店舗」を強化へ

去年6月にコンビニ大手のローソンがオープンしたのは「LAWSONマチの本屋さん」。通常のコンビニに、書店が併設されたタイプの店舗です。コロナ禍で在宅時間が増えている一方、書店の数は年々減っています。そのため「近くで本を買いたい」というニーズが膨らんでいるといい、ローソンは2025年2月末までに、こうした書店併設型の店舗を新たに100店舗展開したいとしています。

書店の数は減少傾向にあり、日販出版流通学院「出版物販売額の実態2021」によりますと、2011年度に1万2316店舗だった全国の書店の数は、2020年度には8789店舗にまで落ち込んでいます。

様々なスタイルの取り組みを広げながら、リアルの「書店」は、今後どのような形で生き残っていくのでしょうか。

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