日銀短観 大企業製造業で景況感が4期ぶりに悪化
全国の企業、およそ9000社を対象に調査した3月の「日銀短観」で、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数は、「大企業・製造業」でプラス11と、前回12月の調査を2ポイント下回り、4期ぶりの悪化となりました。
自動車大手のダイハツ工業などが認証不正問題を受けて、一部で生産を停止したことや、海外需要の弱さなどから幅広い業種で景況感が悪化しました。
一方、「大企業・非製造業」の景況感は好調なインバウンド需要を背景にプラス34と8期連続の改善となり、1991年8月以来の高い水準となりました。一方、雇用については人手不足感が続き、大企業や中堅企業でマイナス幅がわずかに拡大しました。
今回の調査は2月末から3月末まで行われましたが、日銀の担当者は、利上げを決めた3月19日の金融政策決定会合前に7割弱の企業がすでに回答していたため、「利上げの影響は、まだ織り込まれていないのではないか」と分析しています。
なお、日銀は経済の実態を正確に把握するため、調査対象とする企業を今回の調査から見直しました。この結果、前回の去年12月調査の指数は、公表時のものから修正されています。