神田財務官「急激な円安の大きな要因であった投機的な動きが急速に巻き戻されている」 インフレ基調に変化との認識示す
外国為替市場でこのところ円高が進んでいることについて、財務省の神田財務官は、「急激な円安の大きな要因であった投機的な動きが急速に巻き戻されている」として、「インフレ基調に変化が出てきているのでは」との認識を示しました。
13日の外国為替市場で円相場は一時1ドル=138円台前半をつけ、およそ1か月半ぶりの円高ドル安水準となりました。このところ円高が進んでいることについて神田財務官は、自身の見解ではないと前置きした上で、「少し前までの急激な円安の大きなファクターであった投機的な円のショートポジションが急速に拡大していったのがこれが急速に巻き戻されて、ファッションだった円キャリートレードの勢いも弱まっている」という見方が強いと認識していると述べました。
また、この背景について「例えば今週の春闘での高い賃上げや、最近の企業の積極的な価格転嫁の動きなどデフレ期に定着していた、企業の賃金、価格設定行動に変化の兆しが出てきている」と述べ、インフレ基調に変化が出ているとの見解を示しました。
市場では、日銀が今月下旬の金融政策決定会合で金融政策の修正に踏み切るのではとの観測も浮上していることから、先月末に1ドル145円台まで円安が進んでいた円相場は、この2週間で7円近くの円高となっています。