「みそ」も値上げのなか…即席みそ汁“好調” 価格は高めでも“差別化”…旬を味わう商品も
食卓に欠かせない「みそ」の値上げが続いています。スーパーでは「生みそ」の売り上げは年々右肩下がりの一方で、即席みそ汁はアップしているといいます。一方、値段を高くしてでも、付加価値のある新しいみそで“差別化”を図る企業もあります。
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たっぷり入った青ネギに梅がそえられ、定番の豆腐が入った1杯。日本人になじみ深い、みそ汁です。東京・浅草にある「みそ汁の専門店」では、おにぎりなどとセットで販売しています。
みそ汁を“メイン料理として楽しんでほしい”と具材を大きめにカット。また、みそもメニューによって使い分けるなどこだわっていて、店内には女性客を中心に利用する姿がありました。
MISOJYU 山崎淳子店長
「おみそ汁のおいしさを改めて再認識していただいて、おうちでも食べていただければ」
ただ…
MISOJYU 山崎淳子店長
「原材料が値上がったり輸送費が上がっていたり、いろんなものが値上がっているので、そういった関係で多少は値上がり」
現在、様々なものが値上がりしている中、みそ関連の商品も例外ではありません。
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東京・足立区にあるスーパーで人気だというのが、即席タイプのみそ汁です。
ベニースーパー 赤津友弥本部長
「即席のフリーズドライの商品は100種類程度。簡単に手軽に作れる」
店によると、生みその売り上げは年々、右肩下がりの一方で、即席みそ汁は1割程度アップしているといいます。
――即席のみそ汁は
買い物客
「飲みます、飲みます。会社でお弁当持って行くので(その時に)ポットがあるので、そこで使います」
「『みそ汁1杯ほしい』時に、1杯、即席のものだと楽」
こうした即席タイプのみそ汁に力を入れているのが、老舗のみそメーカーです。中でも、年々売り上げが伸びているというのがカップタイプの即席みそ汁です。
ハナマルキ広報宣伝室 平田伸行室長
「上ぶたを開けてお湯を注ぐとすぐできる。カップの即席みそ汁は、みそと具材の中袋が入っているタイプが多いが、(当社のカップタイプは)中袋がないんですね」
去年に比べて、売り上げは3割伸びているといいます。
ハナマルキ広報宣伝室 平田伸行室長
「単身世帯が増えてきているというのは、ひとつ要因としてあると思いますし、すぐにみそ汁を飲みたいですとか、そういった即時性とか強くなっているのも理由になっていると思います」
即席タイプの売り上げが好調なため、2021年から発売している手間暇かけたこだわりのみそも、即席タイプとして今月から販売しているということです。
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一方、新しいみそで“差別化”を図る企業もあります。
ひかり味噌 コーポレートマーケティング本部長・林恭子さん
「みその初物を味わってもらう、新しいタイプのみそ」
“ボジョレ・ヌーボー”のようにみその旬を味わってもらうため、3年前に発売。年に1度、寒さが厳しい大寒に行う伝統的な手法で製造し、原料選びも重視するなど、こだわりが詰まった“この時期にしか味わえない”期間限定のみそです。
そのため、通常より少し価格は高めに設定されています。年々、生みその出荷量が下降傾向にあるなか、値段を高くしてでも販売した理由を聞きました。
ひかり味噌 コーポレートマーケティング本部長・林恭子さん
「お客さまに話を聞くと『みそはどれを選んでいいかわからない』『どれも一緒に見える』『使い方がわからない』という声が。特徴をしっかりだして、新しい楽しみ方、みその新しい魅力を伝える」
あえて付加価値のある商品を販売したといいます。
去年9月には、「そのまま食べておいしい」をコンセプトにしたみそを販売。みそ汁だけではない、今の食生活にあった新しい食べ方の提案もしています。
多様化するニーズにあわせ、他とは差別化を図るみその商品は、今後も広がりを見せそうです。