金の高値続く中で注目される「銀」 投資目的での購入が増加も…
「金」の高値が続く中、「金」とともに、注目されているのが「銀」です。投資目的で銀を購入する人が増えているといいますが、仕入れの高騰で困惑の声も聞かれました。
◇
神奈川・鎌倉市にある体験型工房「ワークスタジオ瑠花」。真剣な面持ちで春休み中の小学生が作っていたのは、オリジナルのシルバーリングです。
作った指輪をお母さんにプレゼントすると…
お母さん
「いいじゃん」
小学生
「いろんな文字を打つのを頑張った」
お母さん
「正面にハートも打ってくれた。うれしいので一生大事にしたい」
家族やカップルなどが訪れ、日々ほほえましいやりとりが行われている工房ですが、今、“悩みの種”を抱えています。それは材料となる銀の高騰です。
ワークスタジオ瑠花 内野健治さん
「もちろん他の物も物価は高騰しているんですけど、金属もすごい勢いで今上がっています」
体験に使う銀の仕入れ値は去年と比べ3割ほどアップ。指輪1本の体験料は5600円と、1月までの5200円から400円値上げしました。
ワークスタジオ瑠花 内野健治さん
「僕の工賃はもうどんどん削っていますよ。ほとんどただ働きみたいなときもありますけども。シルバーではもうけはない」
◇
実は今、価格が上がっているのは金だけではありません。貴金属の小売り大手によると、銀の小売価格は5年前の2019年3月の約58円と比べて、今年3月には約120円と2倍以上になっているのです。(田中金属工業 参考小売価格・税抜き)
日本貴金属マーケット協会の池水雄一代表理事によると、新型コロナやウクライナ侵攻などで世界情勢が不安定になり、安全資産とされる金に続いて銀も注目されているということです。
◇
この流れを受け増えているというのが、投資目的での銀の購入です。都内で銀を主に扱う貴金属の販売店では…
金銀の貯金箱 矢崎堅太郎さん
「最近は初めていらっしゃるお客さんも結構いますし、資産を増やしたいという目的で来るお客さんが増えてきている実感はある」
現在の銀の小売価格は金の84分の1ほど。手に取りやすいことから人気が出ているといいます。銀のコインは、4日に1枚5680円で売られていましたが…
金銀の貯金箱 矢崎堅太郎さん
「大体数十枚~数百枚買われるお客さんが多い」
中には、一度に150万円分以上の銀のコインを買った人もいたといいます。
価格高騰で熱を帯びる銀への投資。今後の見通しについて専門家は…
日本貴金属マーケット協会 池水雄一代表理事
「(金は)まさに投資用。そのものの形で持つ需要が9割以上。ところが、シルバーは需要の半分は工業用の需要なんです。例えば自動車用の部品に使ったりとか、最近1番伸びているのは太陽光パネル。シルバーは過去5年間、ずっと供給不足という状況が続いている」
太陽光パネルにも使われているという銀。世界的な再生可能エネルギーへの関心の高まりもあって、銀は今後も必要とされるため、価値の上昇は続く見込みだと話します。ただ、一方で…
日本貴金属マーケット協会 池水雄一代表理事
「シルバーって値段が安い分(価格が)動きやすいメタルなんです。ポーンと上がったり、ポーンと下がったりっていうのがよくある。上がるとき、下がるときの動きのパーセンテージが(金より)シルバーの方が全然大きい」
リスクもあるため投資を行う場合には注意も必要です。