米の値上がり続く…去年の猛暑で各地で不作 田植えシーズンも新潟では暖冬の影響で…
去年の猛暑で各地で不作だったお米。その影響で米の価格が上昇しているといいます。今は秋に向けての田植えシーズンですが、ここにも異常気象の影響が出ていました。
日本人の主食として食卓には欠かせないお米。
お客さん
「絶対食べるから。お米なかったら生きていけない」
常に家に置いてあるという家庭も多いようですが、値段が上がり続けています。
お客さん
「高いですよね。もっとたくさん必要だし、すぐなくなっちゃう、このサイズ(1kg)だと」
横浜市のスーパーでは、新潟県産のコシヒカリが5キロで2500円ほど。去年と比べると1割以上上昇しているといいます。
背景にあるのは、去年全国をおそった記録的猛暑です。高温や日照りが続いたため、各地で米の収穫量が減少したのです。
その不作の影響が今も尾を引いているほか…
スーパーマーケットセルシオ和田町店 鶴田英明店長
「インバウンドによる国内のお米の需要が高まっているなかで、コシヒカリなどの銘柄ももちろん、無名なブランドのお米も値上がりしている状況です。お客さまは値段にシビアなので、よく言われますね」
需要の高まりとともに仕入れ値は右肩上がりに上昇。品種によっては、発注しても入荷できないものもあるといいます。
スーパーマーケットセルシオ和田町店 鶴田英明店長
「(燃料費など)コストもかかってきているので、値上げせざるを得ない状況は続くと思います」
店は、今年の新米が出るまで今の状況が続くとみています。
9月ごろに収穫を迎える米は、今まさに田植えのシーズンです。千葉県成田市の農家の元には、早ければ25日から植えるという苗が並んでいましたが、とある変化が…
小泉ファーム 小泉輝夫代表
「これが『にじのきらめき』です」
「にじのきらめき」という品種の特徴は…
小泉ファーム 小泉輝夫代表
「暑さに強いです。暑さに強くて収量がとれる」
毎年のように発生する異常気象。以前はコシヒカリをメインに栽培していましたが、そのほとんどを暑さに強いという品種、「にじのきらめき」に切り替えました。
味はコシヒカリと同等のおいしさを持ちながら、風などにも強いということです。
小泉ファーム 小泉輝夫代表
「一番のウイークポイント(弱点)である暑さを克服するという意味では、こういう(暑さに強い)品種を採用していって、きちんとしたものを提供していくというのが大事だと思う」
各地で迎える田植えシーズン。
しかし、日本有数の米所、新潟県から心配なニュースが…
米農家 山岸治二さん
「硬いですね、乾いちゃったよね。足跡もヒビはいっちゃって」
十日町市で米農家を営む山岸さん。例年であれば田植えのピークを迎える時期ですが、一部の田んぼに苗はまだありません。
雪解け水や雨水に頼る「天水田」ですが、雨が少なく、ためていた水が枯れてしまったといいます。
米農家 山岸治二さん
「春の頃はここでカモが泳ぐぐらい水があったんですけど、この日照りでなくなっちゃったんです」
さらに、追い打ちをかけるのが雪解け水の不足です。暖冬で雪が少なかったため、田植えの準備すらできない状態が続いています。
米農家 山岸治二さん
「今年はもう20日過ぎちゃったし、今年はダメかもしれない」
去年、山岸さんの田んぼでは、夏の猛暑で全体の2割ほどの稲が枯れる被害がありました。今年は出足から水不足に頭を悩ませる事態となっています。
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気象庁の3か月予報によると、例年よりも暑くなると見込まれている今年の夏。米の価格は秋ごろの収穫にかかっています。