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日銀・黒田総裁 将来、金融政策の柔軟化「一つのオプション」

2022年11月2日 15:14
日銀・黒田総裁 将来、金融政策の柔軟化「一つのオプション」

日銀の黒田総裁は、現在進めている大規模な金融緩和策について、将来、物価安定目標の実現が見通せる状況になった際に、柔軟に見直すこともひとつの選択肢だと述べました。

これは2日の衆議院・財務金融委員会で答弁したものです。立憲民主党の階猛議員が短期金利の引き上げや長期金利目標の変動幅の拡大などを提案したのに対し、黒田総裁は「将来2%の物価安定目標の実現が見通せるような状況になったときに、その前段階で、イールドカーブコントロール(長短金利操作)を柔軟化していくことは、一つのオプションとしてあり得る」と答弁しました。

その上で黒田総裁は、賃金の上昇を伴う形で、物価安定の目標を持続的安定的に実現するためにいまの金融緩和策を続ける必要があることを強調しました。

こうした発言を受け、2日の東京外国為替市場では日銀の金融政策の修正への思惑が広がり、円を買い戻す動きが強まり、円相場は一時1ドル=147円台前半まで上昇しました。

ただ、ある市場関係者は「黒田総裁の発言は、ごく一般的でごもっともなことで、今のところ反応は限定的。アメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)の結果をあす未明に控え、市場は敏感になっているのでは」と話しています。