昆虫がゴミ問題の救世主に? 悪臭抑える技術を開発…養殖魚のエサとして活用も
農研機構と東京大学、筑波大学の研究グループは、「アメリカミズアブ」という昆虫の作用で、食品廃棄物の臭いを抑える技術を開発したと発表しました。
ミズアブの幼虫を食品廃棄物のなかで飼育したり、その飼育した「残さ」を別の食品廃棄物に加えたりすることで、悪臭を抑えることができたということです。
農林水産省などの推計によると、食品関連事業や一般家庭から出る食品廃棄物の量は、2020年度で2000万トン以上にものぼり、それらの有用な処理方法が課題となっています。
また、食品廃棄物で育てられたミズアブは、役目を終えた後はタンパク質資源として、養殖の魚やニワトリのエサなどに利用することが可能だということです。
研究グループは、「昆虫をタンパク質源とすることは、地球規模のタンパク質危機の回避や、温暖化ガスの放出の縮減にも貢献するものと期待されている」と、この方法が産業化されることで食品廃棄物の処理に貢献できるとしています。