様々なものが値上げしていますが、チョコレート菓子が軒並み値上げラッシュとなっています。この影響は福島県内の菓子店にも及んでいました。

福島市にある創業101年の老舗「中野屋菓子舗」。

いま開発に力を入れているのが、なめらかな口溶けとカラフルな見た目にこだわったチョコレートです。これまではバレンタインデーなどの期間限定商品でしたが、お客さんの要望もあり9月中旬からは通年での販売を予定しています。ただ、お店を悩ませているのが…

■中野屋菓子舗4代目 早坂知弥 さん
「私たちが仕入れているチョコレートに関しては、9月から今の価格の1.6～2倍に上がる。大変危機感を覚えている」

チョコレートの仕入れ価格が上がっている要因は原料であるカカオ豆の高騰です。主な原産国となっている西アフリカの天候不良などで記録的な不作となっているカカオ豆。ニューヨーク市場での取引価格は4月に1トンあたり1万2000ドルを超え、それから少し落ち着いたとはいえ8月は1年前と比べて3倍近く上がったままです。

その影響もあり、チョコレート菓子は軒並み値上げラッシュ。ロッテは「コアラのマーチ」や「パイの実」などを順次値上げし、明治は10月からチョコレート・スナックあわせて102品で価格改定や内容量変更を行います。

一方、個人で営むお店では簡単に値上げできない事情も。

■中野屋菓子舗4代目 早坂知弥 さん
「客足が遠のいてしまうのかなと思うので、考えるところがある」

お店で出している洋菓子の約7割でチョコレートを使用。いまは商品の値段を据え置きにしていますが、今後、高騰が続くと値上げや販売を停止する可能性もあるといいます。さらに、影響はクリスマス商戦にも…

■中野屋菓子舗4代目 早坂知弥 さん
「当店では3種類ぐらいのチョコレートケーキを作っていたけど、今年は3種類から1種類に絞るか、もしくはチョコレート系のケーキは出せなくなるかもしれないような話をしている」

カカオ豆を輸入している商社によりますと、短期間に供給が回復できる見込みは全く立っていなく、少なくともあと1年はこの高騰が継続しそうな状況だということです。

■中野屋菓子舗4代目 早坂知弥 さん
「チョコレートの価格が高騰し続けるかもしれないが、我々は一生懸命美味しいチョコレートを作っていければと思うので、ご褒美に食べるなどして、楽しんでもらいたい」